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魔法ノコトバ  作者:
5/7

第5話:電話【後】

ドクンドクン


心臓が大きく脈打つ


『あ、あの!今日歯磨き指導してもらった室生晃です!覚えてますか?』


『…よかった、ちゃんと繋がって』


どういうことだろう…


『私ねさっき何回か電話したんだけど話し中だったから番号間違いだったのかなってちょっと不安だったの

でも、間違いじゃなくてよかった!』


『はい!』

ふと考える…僕番号教えてないしな。誰だろう…


『あ…この番号はね受け付けの絹枝さんが教えてくれたの。番号教えちゃったって言われてえぇって驚いてたら、これあの子の番号ねって。』

彼女は少し遠慮がちに伝えてきた。

あのおばさんは気が利くのか効かないのか…

びっくりしすぎて何も言えない僕を彼女は何か察知したのか


『…迷惑だった?』

『いえ、びっくりしすぎて何も言えなかっただけです』


これは本当だ、実際さっきは心臓が止まるかと思った。


『本当は…』


『ん?どうしたの?』


『僕からかけるつもりだったんです、でも何話していいか考えてたらあなたの方からかかってきて、出鼻をくじかれた気分』


『なんだそんなことかぁ』


『大丈夫、私も話題ないし』

と彼女は笑った。僕も自然に笑っていた。


僕は思い出したように彼女に語りかけた

『そういえば、名前教えて下さい…聞くの忘れてました』

『やだ』


『そうですかいやなんだ…ってえぇ!?』

彼女は電話の向こうで大きく笑っている。


『冗談よ冗談

私は葵 結衣っていうの。年はあんまり言いたくないけど22歳、よろしくね』



『よろしく!って僕と一つしか違わないんですか!』


『なにその反応は?』


『もうちょっと上なのかなって思ってました』


ふんっと彼女は少し怒ったような口調で


『どうせ私は老けてますよ〜』



僕は慌てた怒らせるつもりはなかったのだが、思ったことを口にしたらこれだ今後は気をつけよう…

『ごめんなさい、なんていうか結衣さんって綺麗だから年なんか無いように思えたんです』


どういうこと?と彼女は理解出来てないようだった。


『ん〜うまく言えないけれどとても綺麗で素敵です!』



すると結衣はアリガトウと恥ずかしそうに返してきた。


それからは色んなことを話した。

お互いの趣味や好きな本、音楽、地元の話など話は尽きなかった。



『もうこんな時間…お風呂はいって寝なきゃ』

結衣の少し寂しそうな声がする

時計をみると11時大学生の自分からみるとたいした時間ではないのだが働いてると遅い時間なのかな…


『ごめん!そんなことに気がつかなくて付き合わせちゃって』


『ううん、いいの私も楽しかったし♪』思わず最後の音譜がでてきそうなほど楽しそうな声だった。


『結衣さん…アドレス教えて!電話だと迷惑かけちゃうこともあるし、メールだったら気がついたときに返せばいいからさ』


『ん、いいよ!』


お互いにアドレスを交換した。



『それじゃおやすみなさい』



『おやすみ』


『…』


『…』


『…』


『…』




『僕からは切れないから結衣さんからきって、お願い』


『ん、わかったそれじゃあ』



『プツ、ツーツーツー』


長い電話が終わり、綺麗な声から無機質な音に代わり耳に流れる。



こんな気持ちになるのはいつぶりだろう…

例えるなら、甘酸っぱい初恋のような味。



そんな余韻に浸っているとお気に入りの着信メロディーが鳴る。


master*pieceの魔法ノコトバだ



メールのようだ



開くと

『葵 結衣です。今日はとても楽しかったよ!また、お話しようね!

それじゃ、おやすみなさい。』

結衣らしい丁寧な文章で書かれていた

何か返事をしたが胸がいっぱいで何を書いたか覚えていない。

何かを書いて送った。後で確認して発狂するのだが、それはまた先の話。


今は幸せな気持ちに浸っていようと思う僕なのでした。


電話といえばレミオロメンですね(笑)あの曲好きです♪

master*pieceの魔法ノコトバはこの小説のモチーフです。是非聞いてみてください。

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