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魔法ノコトバ  作者:
2/7

第2話:出会い【前】

いきなり過去にいきます。

僕と彼女が出会ったのはとある歯医者だった。


親知らずがどうにも痛くなってしょうがなく近所の歯医者に見てもらったときに初めて出会った…というか見た。

歯科助手をしていた彼女はこんにちはと僕にあいさつをした。


見た瞬間眼が離せなかった。

こんにちはと挨拶をして指定された席に座った。


それからは普通に治療をした。どうやら痛みの原因は生え切っていない親知らずが噛むたびに肉を挟んでいるようで化膿しているそうな。

『抜いちゃいましょう』と歯医者はいいその日のうちに抜かれた。痛み止めの薬と抗生物質をもらった。なんでもばい菌が入ったら大変なことになるようで三日は飲まないといけないらしい。

次は一週間後の3時に来てくださいと言われた。ちょっと虫歯があるらしい…鬱だ。

ありがとうございました。と歯医者の人たちに挨拶をしてその日の治療は終わった。

僕が帰って行くのを彼女が後ろから見ていたことなどこの時僕は知るよしもなかった。



一週間後歯医者を訪れると彼女はいた。こんにちはと挨拶を交わす。

『今日は先週抜歯したところの消毒と虫歯を一カ所治療しますね』と簡単な説明のあとに15分ほどで治療が終わった。


しばらく座っていると奥歯があまりうまく歯磨きできていないようなのでその指導を受けることとなった。


ドクンドクン



心臓が大きく脈打った。


彼女だ。


『お口開いてくださいね、あとこれを持って下さい』

柔らかな、ずっと聞いていたいような声だった。


歯磨き指導の間彼女の話を聞きながら鏡ではなく彼女を見ていた。綺麗に整えられた眉、薄い茶色のアイライン、綺麗な眼、茶色の髪は天然の色のようだ、口元はマスクをしていて見えなかったが…間違いなく美人だ。

こんな綺麗な人を見たことがない。

僕は無意識に綺麗だと呟いてしまったらしい。

彼女が頬を赤く染め

『アリガトウ』と僕にだけ聞こえるように言った。


このあと実際にやってみて下さいと言われほとんど話しを聞いてなかった僕はこうですか!?となんども聞いたせいで彼女に笑われてしまった。


彼女の丁寧な指導が終わり治療椅子からおりると

『珍しい名字ですね、私室生って初めて聞きました』と言われた。


『実家が福島なんですよ〜でも、福島でも少ないですけど』と僕は少し笑っていうと彼女もふふっと笑ってくれた。

『今日はこれでおしまいです、お大事に』


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