記者会見
ある日の昼過ぎに親子で買い物を終え
たわいもない会話しながら帰り道を歩いていた。
家までは約2分ほどで着く距離にいる。
「父さん!どっちが先に着くか競走しよ!」
「よし、やってやる!荷物を持っててもお前には負けないぞー」
信号が変わるのを合図にスタートした。
子供の活力と瞬発力で父との距離を離していく。
そんな息子の背中を見て何故か嬉しくなる父親。
だがそこに親子の幸せな時間を消し去るかのように
1台の乗用車が横断歩道に突っ込んできた。
父親が気づいた時にはすでに手遅れ
乗用車は子供めがけて突っ込んで行き、激しい音を鳴らし衝突した。
しかし――
「痛てっ……」
ダイが目を覚ますとそこは映画館だった。
両脇にはナロとソラがいる。
映画の途中で寝てたのか。
最近は任務が多くて疲れてたからな……
そう思いながらナロの方を見ると映画が面白いのか
目を輝かせていた。
ナロも一緒に任務へ行ってるはずなのに疲れてる様子がない。
自分がおじさんになった気分を味わった。
映画を観終わり今度はゲームセンターへ行き様々なゲームを楽しだ。
その中、2人で競う早押しゲームでのこと。
俺とソラが対決をすることになった。
常人の何倍もの身体能力がある俺からすれば負けることはない。
そう思いながら合図と同時にボタンを押し勝利したのはソラの方だった。
「負けた!?」
「あっはは、僕こう見えて反射神経はいいんだよね」
ソラはとても楽しそうに笑っていた。
俺もソラやナロの楽しそうな表情を見てとても嬉しくなった。
「今日は誘ってくれてありがとう。とても楽しかったよ」
ソラを病院まで送った後ナロと共に【グレジタンス】本部へ帰るとやけに慌ただしくなっていた。
一体何事なんだと思いながら立ち尽くしているとミエさんが声をかけてきた。
「ダイくん! 大変だよ!」
「ミエさん。一体なにがあったんですか?」
「これ――政府が【イーバヤ星人】の事をいきなり公表したの!」
ミエさんはスマホで記者会見の様子を見せながらそう言った。
記者会見の映像には大統領が写っており、多くの報道陣がいる。
「一体いつから宇宙人と接触をしていたんですか?」
「我々政府は数年前から【イーバヤ星人】との友好的な関係を築き【イーバヤ星人】の持つ技術力での支援を受けていました。そのおかげで医療や軍事的な面での急激な発達を成し得ることができたのです。」
「何故その事を今まで公表しなかったのですか?」
「公表することによる市民の暴動化。
技術を盗み悪用しようとする他国。
様々なリスクを鑑みての判断でした」
「では、何故今公表を?」
「我々は様々な脅威の存在を【イーバヤ星人】から教えられており、その脅威に抗うための戦力となり得る【未知の力を宿した者】を見つけるためです」
「【未知の力を宿した者】?」
「ある遺跡を研究していた時に偶然発見された書物に記されていた伝説の存在です。
青白い神秘的な霧のようなものを身に纏い絶大な力を持つ者と記されており、その存在がいた事を【イーバヤ星人】が証言しています。」
「そんなの御伽話や空想の世界の話じゃないですか
そんなものを本気にする根拠はあるんですか?」
「我々はつい最近まで宇宙人の存在を空想やオカルトとして捉えていた。しかし現実に現れた。
そして【未知の力を宿した者】について前々から【イーバヤ星人】と協力し捜索をしてきました。」
「その【未知の力を宿した者】を見つけてどうする気なのですか?」
「我々は日々新たな脅威に立ち向かう為に努力をしてきました、仮に【イーバヤ星人】を殺しているのが【未知の力を宿した者】でなかったとしても
強大な力を持っているのは事実です。
その力を我々の為に使って頂きたいと思っています。」
記者達は多くの質問を投げかけていたが会見時間は終わりフラッシュの中を歩き姿を消していった。
この会見で世界はどう変わるのか誰にもわからなかった。




