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赤毛の女性

武器を失ったダイが行う格闘技はあまりにも素人だった。【ランク2】のロウグに当たるわけもなくスレスレのところで回避され続け挑発される。

すると天井にぶら下がった繭の1つがグチュグチュと音を立てながら蠢いていた。

それに気を取られてロウグからのカウンターを受け体育館の地面を転がるダイ。


「ご覧ください。2匹目の誕生です」


繭から産まれたものは先程ダイとナロが倒したものと同様の化け物であったがカマキリのような特徴を腕に宿していた。


「これが私の作り出す進化の形。人型昆虫兵器です」


「進化の形……?まさか……」


「おや、気付きましたか。そう。人型昆虫兵器は人間を元にして作り出されています。ドクターS(サイダ)が作った【ランクX】と同じようにね。

ただ、先程の戦闘を見ると……どうやら失敗作のようですね。やはり人間がベースとなると戦闘力に限界があるようです」


「っざけんな……命を弄んでんじゃねえよ!!」


ダイの怒りは頂点を振り切っていた。

踏み込んだ地面はひび割れ激しい音を鳴らした。

ロウグとの距離を一瞬で詰め殴りかかるが生み出された人型昆虫兵器によってその拳は防がれ反撃を喰らう。


「貴方の力はこの程度ですか……期待外れですね。

まさか人間を元にして作られた兵器に同情しているのですか?無駄ですよ。彼らに人としての自我や記憶は残っていませんから」



ダイの怒りは限界を超えていた。

しかし肉体も同様限界を迎えており辛うじて立ち上がれるような状態。

ダイの心は人の命を弄ぶ存在への怒りに満ち溢れいると同時に自身の無力さを突きつけられた絶望感に苛まれていた。


「本当に残念ですがここで貴方はお終いです」


人型昆虫兵器がトドメを刺しに迫る。

しかし振り下ろされた拳はダイに当たることはなかった。

ダイを含めこの場にいる全員が何が起こったか理解できてはいない。ただ事実として攻撃はダイに当たらなかった。

再びトドメを刺そうと攻撃されるがまたしても当たらない。

何故か。それはダイ自身が無意識のうちに攻撃を避けていたからだ。

しかしそれは、防衛本能などではなく明確にどこに攻撃が来るかを知っているからこそ成し得た事。

極限状態になったことで眠っていた力が目覚めた。

ダイが覚醒薬を投与されたことで得た

力の副産物は……【予知】

自身に起こる未来を知る力だった。

相手がどこに攻撃をするか。

攻撃をどう防御するか。

その全てが予知できたダイは残された力を使い人型昆虫兵器を殴打し続けた。

その光景を傍観していたロウグの目の前に一瞬で間合いを詰めたダイは最後の力で拳を振るいロウグの腕をへし折るダメージを負わせた。


「これが貴方の力……いいですね。ですがもう限界か。もう少し楽しみたかったのですが仕方ない……ここで引いておきましょう。また会える事を楽しみしていますよ」


ロウグはそう言い体育館から姿を消した。

俺はナロにまとわりつく蜘蛛の巣を時間をかけて取り外し拘束を解くことができた。

刀の方はナロの力で取り外してくれた。

体力も何もかもが限界を迎えナロに肩を借りなきゃ

立ってもいられない状態だったがそれでも俺は刀を握りしめ歩く。

さっきまで戦っていた人型昆虫兵器はダイの攻撃で地面に倒れていたがまだ生きている。

せめてもの弔いとしてダイは刀を心臓へ突き刺しトドメをさした。

もう1つの繭はナロの力で地面に下ろし中を確認したが他と同様の姿をした個体がおり不完全な状態で繭を開けた為直ぐに息絶えた。

今回の任務で俺は誰も救えなかった。


ロウグは自身の腕の再生を終えた。


「見込んだ通り彼は素晴らしい力に目覚めたようですね……ノノさん」


「うん!彼ならきっといい戦力になるよ」


赤毛の女性・ノノは微笑みを浮かべた。





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