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力の副産物

傷が癒え、俺は任務に復帰していた。

あれ以降【ランク2】には出会していない。

依然ナロは、【グレジタンス】本部で過ごしており

その後の処遇について決まっていなかった。


「ちょっと、外の空気吸ってきます」


「あー、それならナロちゃんも連れて行ってあげたら?」


「えっ外出てもいいんですか?」


俺は、ミエさんに言われナロと共に外を散歩しに出た。只、【イーバヤ星人】(奴ら)にナロの存在がバレるといけないのでナロにはフードを被ってもらった。

食欲を刺激する匂い

都会特有の喧騒

俺には不快に感じられるものでもナロにとってはまるで遊園地気分だ。

【イーバヤ星人】(奴ら)に作り出されたといっても

普通の女の子とまるで変わりない姿を見て安堵した。


一通り散歩をした後、公園のベンチに腰をかけ休憩をしていた。


「外の世界って楽しいね♪」


「そっか、また一緒にどっか出掛けようか」


「うん!」


そんなたわいも無い会話をし【グレジタンス】本部へ戻ろうとしていると誰かが俺の肩を軽く叩いた。


「あーやっぱり、ダイだ」


「ソラ!」


「また会えて嬉しいよ……隣にいるのは……」


「あー、えっと……この子は…………お俺の妹のナロ」


咄嗟についたありきたりな嘘。


「へぇー、妹さん。はじめまして、僕はソラ」


「は、はじめまして……ナロって言います……」


ナロは慣れない自己紹介する。

人見知りなのか少し挙動不審になっていた。

その後、ソラとお互いの近況などを話したが勿論俺が宇宙人と戦っているとかなんかは言っていない。

ナロについても妹として今後貫いていく。

話を終えソラと別れる頃にはナロはソラと打ち解けていた。


「じゃあ、またね……ダイ、ナロちゃん」


「おう、またなソラ」


ナロは笑顔で手を振っていた。


【グレジタンス】本部へ帰るとミエさんが俺を部屋へ呼んだ。

そこには30代くらいの見た事ないおじさんがいた。


「おぉーお前がダイか、話は聞いてるよ」


「えっと……あなたは?」


「俺か?俺はマトバ・ゴウ。お前が使った覚醒薬を作った天才だよ」


「覚醒薬?」


そんなもの俺が使った記憶はない。

困惑しているとマトバは呆れたように説明を始めた。


「ったくイチキのやつ、ちゃんと説明してねぇのか。いいか、覚醒薬ってのは細胞を極限まで活性化させ身体能力とか諸々を底上げできる薬だ。」


改造されるとは聞いていたけどその覚醒薬によって【イーバヤ星人】(奴ら)と戦う力を得ていたのか。


「んで、今日はお前の経過観察をしに来た訳。

早速聞くが身体能力とか治癒力の他になんか身体に変化は感じるか?」


「いや……特に何も」


「そうか……」


マトバは深く考えている様子だった。

一体何を考えているのか全く検討がつかない。

もしかして、覚醒薬には重大な副作用とか時間制限的なものがあるのか。


「あの……何かあるんですか?その……副作用とか」


「ある。副作用……いや副産物と言うべきだな。いいか、覚醒薬を投与すると肉体は急激な変化に耐えられず最悪の場合死ぬ。だが、死を乗り切ればお前のように超人になる事ができる。なぁお前、事故や病気で脳にダメージを受けた人が特定の分野などで天才的な能力に目覚めるケースがあるのを知ってるか?」


「あぁ、なんか聞いたことはあるけど」


「そのケースがもっと超能力的なものとして覚醒薬を投与された人間に現れた事があるんだ。」


「へぇー……って、俺以外にも覚醒薬を投与された人がいるんですか⁉︎」


他にもいたなんて聞いた事もなかった。

一体どんな人で今何処にいるんだろう。


読んでいただきありがとうございます。

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