表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A班 (外)ファイル ― 人魚は楽器を弾かない ―  作者: ぽすしち
3. 手伝い ― 情報その1 ―

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/38

おやじさんからの情報


 その後ろ姿をみんなで見送りながら、A班の男たちは納得しあう。


「あれが、アランにきいた『オリビア』?」

 ザックはとなりのケンの顔をみた。


「どう見てもそうだろ。このレストランで働いてる若い女っていうんだから」

 興味なさそうに下にある港をながめこたえるケンは、サングラスをとって海をながめた。


「まあ、情報どおり、意見のはっきりした女性ではあるね」

 ルイが店の中でほかの客と楽し気に会話をするオリビアをゆびさし、すこし思い込みははげしそうだけど、とつけたす。


「それで、あのひとがマリオの行方をしってると、アランはおもってるんだろ?」


「いや。アランというか、マリオの親父さんはそう思ってるから、そのままアランに伝えたんだろうな」 ザックにジャンがこたえると、確証はないんだろ?とケンがにやけた顔でつけたす。



 アランがきのう、《とっておきのレストラン》でA班に頼んだのは、半年以上前から帰ってこないマルコの息子のゆくえをつきとめるのを、てつだってほしいというものだった。


「でもさあ、もしおやじさんが考えてるとおり、オリビアにそそのかされて島を出て行ったなら、オリビアもこの島を出て行くんじゃねえの?」

 ザックが飲み干したグラスをものたりなさそうにゆする。


「おれもそうおもった」

 ジャンも納得しかねるように首をまげる。


「だいたい、この島でマリオをどこかに誘うようなのが、彼女しかいないって親父さんが思い込んでるふしがあるよね。新しくきたよそ者を疑いたいのはわかるけど」

 ルイも困ったような顔でジャンをみる。


「じゃあ、べつのほうも見にいってみるか」

 ケンがサングラスをかけなおして立ち上がったが、まあ待て、とジャンにとめられる。

「オリビアが持ってくるワインをたしかめてからにしよう」なぜかルイと顔をみあわせてわらいあっている。


「なんだよ。彼女が注文を間違いそうだと思ってんの?」

 ザックがにやけあうふたりをみくらべ、もしかして何か意地の悪い注文をしたのかと眉をよせきいたとき、むこうからグラスを二つ片手にぶらさげたオリビアが、もう片手でワイン瓶の首を、しめあげてつかむような恰好でやってきた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ