表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A班 (外)ファイル ― 人魚は楽器を弾かない ―  作者: ぽすしち
9. 砂島

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/38

崖しかない島


 白くはねかえるその群れに近づくにつれ、たしかにたくさんの白い人の手が、水面をたたくようにつきだされているのがみえ、アランも気づいたのかおかしな声をあげた。


「いいや。よくみろ。あれは小魚の群れだ。 ―― 魚だよ」

 ルイがそういったとたん、人の手は小さな魚のむれになる。

「これって《人魚》たちのいたずらだよ。だけど、おれたちはそれにひっかからないですむ」ザックたちにわかるようにちいさく空をゆびさす。

 みあげたはるか上のほうに、しずみゆく陽のひかりを翼ではねかえす、おおきな白い鳥がいた。《白いカラス》だ。

 次には女のながいながい髪が流れてきたが、「海藻だよ」というルイのことばで海藻になった。ザックが身をのりだしてみようとするのを、ケンにひきもどされる。


 また、潮の流れがかわったとアランが言ったとき、薄暗くなった視界に、黒い小さな島がいきなりはいってきた。近づくにつれ、小さな島にめいっぱい建物をのせているのがわかり、まるで、土台の大きな立派な建物が海に浮かんでいるようだった。



 ザックが『砂島』という名前から想像していたのとはちがい、その島には、きりたった黒い崖しか確認できなかった。

 その崖の上にのっているのは、なかなか立派な古い聖堂教の教会のようなデザインの建物で、赤いレンガの壁に囲まれている。

 建物は白っぽい石でできているようだが、黒い崖とそれほど変わらない暗さでしか目にうつらないのが不思議だった。上にのびた高い塔には、教会のように鐘もついている。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ