蘇生少女レイ、蘇生する。そして、祝福と勘違いされる。
「ゔ、ゔ」
目が覚めると薄暗い裏路地に横になっていた。
起きると白い半袖ワンピースを着ていた。
冷たい空気が体を包む。
体はなんと回復したようだ。
九歳児くらいの大きさと体つきだ。
防護魔法もちゃんと使ったから、最初の時と比べて損傷が少なかった。
まだ、魔獣が残した寒さが残っているということはまだ倒してまもないということか。
体を大きくすることはできてもひどい損傷でもしないと、小さい姿に戻れない。
今の姿は前の姿より大きすぎる。
どうしよう。
「はっくしゅん」
首が涼しい、ママがいつも櫛でといてくれた長い髪がない。
そういえば服全部燃えたはずなのになんでワンピースを着ている。
「シバ、ワンピースはわたしの髪でてきてるの?」
「髪とその他の余った素材を再利用した。
目が覚めた時全裸は不適切と判断したため」
「そう」
そうよね。家の外で全裸で起きるよりは全然マシよね。
とりあえずママの様子を見に行こう。
この姿でわかってもらえるか、わからないけど。
「ここから、ママの病院まで案内して」
「はい、病院までの道のりは、」
「レイ」
シバが説明しようとした矢先、パパに見つかった。
「パパ、私がわかるの?」
パパは私の前に駆け寄りしゃがみ込んだ。
「よかった。無事だ」
凍傷で青黒く変色した腕で目いっぱい抱きしめられる。
「匂いでわかる。俺とイザの子供だって、あの矢からわずかにレイの匂いがして慌てて走ってきた。」
パパの目は涙を流していた。
腕の凍傷は痛そう。
頭の中でシバを起動する。
『シバ、治癒魔法』
『ご主人様の治癒は済んでますよ』
『パパの治癒、他者の体の治癒』
『チップにはない機能なので、購入による後付けです。
価格は2,000ゴール。よろしいですか。』
『よろしい』
『発信地より離れているため導入に時間がかかります。
導入を開始します。導入完了まで1時間』
結構時間かかるな。
その間にママの病院行くか。
「パパ、くるしい。ママの病院行こ。」
「ああごめんな。ママは病院にいるのか!?」
パパは腕をとき、驚いた顔になる。
「大きくなって運んだ。」
わたしはしたり顔をした。
「すごいなレイ、レイの祝福は大きくなって強い魔法を放てるんだな。」
パパはわたしの頭を撫でてくれた。
そうして、パパの腕を引きながら、ママの病院に向かう。
ママ、わたしだってわかってくれるかな。