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蘇生少女レイは正式に両親の赤子になる。

「俺たちがこの子を育てます。だから、この子を俺たちの子供にする手続きを教えてください」

ナギムが緊張した声で答える。

しばらく沈黙が続く。

「わかったわ。手続きを教えましょう。けどこの子を育てることは子守の仕事とは訳が違う。

守るだけでなく、あなたたちの子供として育てる覚悟を持つのよ」

エウレは威圧のある声で言った。

「「はい」」

イザとナギムは、勢いよく答える。

また、小難しい言葉が私の上を飛び交う。

起きた世界でわたしはこの二人の子供となるようだ。

しかし、二人が初めて育てる子供が偽の子供だと知ったら、だいぶショックを受けそうな気がする。

こうなったら、バレないようになりきろう。

けどな、なんの参考もなしになりきるのは難しい。

眠る前の世界の機能が残っていることに欠けてみるか。

「シバ、オン」

頭の中でつぶやく。

そうすると脳に埋め込まれた魔導チップが起動した。

よかった魔導チップが使えれば後々、魔法を使う時に役に立つ。

「ご主人様、おはようございます」

目の前にもふもふした茶色の犬が現れる。

東洋の島にいた大きめの小型犬種をモデルにしたサポートキャラクター、シバだ。

スッと伸びた鼻ととんがった耳、くるりと巻いた尻尾がかわいい。

チップを埋め込まれたものなら誰でも見れるが、今の時代は誰もチップを入れてないようで気づいている様子もない。

「おはよう。シバ、起きて早々注文したいのだが」

「ご主人様、注文の前に残念な知らせと嬉しい知らせがあります。」

シバは落ち込んだ雰囲気を見せる。

「残念な知らせから聞きたい」

「ご主人様が登録しているシティシュトーディエは長期による管理不足により、物理商品の多く破損しています。

ですのでご主人様が望む商品がない可能性があります。」

「わかったわ。嬉しい知らせは?」

「ご主人様が眠った時点から、一万ゴールが支払われました。」

シバは、嬉しそうに尻尾を微かに振る。

「それはよかった。ところでデータ商品は無事なの?わたしが今買いたいのはそれなの」

「全て無事です今のところ。何を注文しますか?」

「『なりきりセット:イノセントチャイルド』八年パックをお願い。危機的状況になればパック解除もチェック」

「五千ゴールいただきます」

よかった。都市の機能はまだ生きているようだ。

なりきりセットさえあれば恥ずかしがることなく子供を堪能できる。

もともとは、好きなアニメのキャラクターになりたい人たちが恥ずかしがらずに思う存分楽しめるように作られたデータ商品だ。

五千ゴールは大きいがこの世界に慣れるため、無垢な子供になろう。

「ご主人、準備ができました。」

ねむけがおそってくる。

つぎおきたときには、まえのせかいのこともはちねんごまでわすれる。

ちゃんとふたりのこどもをえんじよう。

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