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第64話 小畑徹の失脚(1)

 現ガーディアンである、小畑徹がGメン業務中に誤認逮捕をした。そんなニュースがS.G.G中を駆け巡ったのは、十一月も終わりに差し掛かった頃だった。


 通常、Gメンが誤認逮捕をすることは滅多にない。一度誤認逮捕をすれば、S.G.G全体の信用問題に関わるからだ。そのため新人研修では『確固たる証拠がない限り、疑わしくても逮捕しない』と口酸っぱく教わる。


 しかもS.G.Gはオブシーンの一件で世間からの信用度が下がっていたので、今はなんとしてでも汚名返上をしなければいけない。そんな矢先だったのだ。


「……小畑さん、大丈夫かなぁ」


 平日の放課後、外も暗くなり始めた午後六時。小畑さんの誤認逮捕のニュースが流れた翌日に、僕はひとりで事務所のパソコンを触っていた。


 ネットニュースを見ても、小畑さんの一件は報道されていない。本件はS.G.G内の掲示板での情報やり取りが規制されているから詳しくはわからないけど、どうやら大きな問題にはならなかったらしい。まぁ誤認逮捕した相手も女子中高生ぐらいの年齢らしいから、そこまで大事にしなかったのだろう。


 そのまましばらくS.G.Gのデータベースで直近の犯罪記録などを眺めていると、事務所のインターホンが鳴る。


 ……誰だろう。片瀬さんは現場に出ているし、綾乃は休みだし。この事務所には看板がないから、訪ねてくる人はほとんどいないんだけど。


 そう思いながら玄関のドアを開けると、そこには有城さんがバツ悪そうな顔をして立っていた。


「おひさ~っ。いやはや、さっきメッセージ送ったんだけど、事務所に誰かいてよかったよ」


 有城さんに言われて、ポケットからスマホを取り出す。有城さんからの「今日事務所にいる?」というメッセージが何件か入っていた。


「あぁ、すみません。仕事に集中してて気づきませんでした。とりあえず、中に入ってください」


 有城さんを事務所に招きつつ、外も寒かったのでホットコーヒーを淹れてあげる。


「それで、今日はどういった要件ですか?」


 ホットコーヒーを手渡しながら、僕は尋ねる。まぁ、聞かなくてもだいたい想像はつくけど。


「ありがと。……アキラくんは聞いた? 小畑さんのこと」


「誤認逮捕の件なら、ついさっき色々と調べてましたよ」


 僕が言うと、有城さんは「やっぱり知ってるよねぇ~」と笑った。


「うんまぁ。たぶんアキラくんも知ってのとおりだと思うんだけど、小畑さんがやらかしちゃってね。やらかしたのは一昨日なんだけど、もうそれから昨日今日と色々対応することが多くて参っちゃって。あぁ~、疲れたぁぁ」


 有城さんはホットコーヒーを飲むことなく、その場に座り込んだ。どうやら相当疲れが溜まっているらしい。

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