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第46話 打ち上げをしよう!(1)

 結局、その日は深夜まで警察で取り調べを受けることになった。解放されたのは深夜二時。金曜日の夜とはいえ、さすがにもう人通りも少なくなっている。


「さぁさぁ、ようやく解放されたところで。焼き肉行きますかぁ!」


 警察署を出るなり、有城さんがググっと背伸びをしながら言う。さすがにこの時間帯になるのは想定していなかったのか、片瀬さんは「今から!?」と驚いていた。


「だって桐生さんからお金、もらっちゃいましたもん。とりあえず行ってみません? 眠かったら店内で寝ればいいですし!」


「……まぁ、わたしは二人がいいならいいけど……さすがに未成年三人だけで深夜に焼き肉食べさせるワケにはいかないし……」


 チラリ、と片瀬さんが僕と綾乃を見る。僕もさすがに今日は心身ともに疲労困憊って感じだけど、これから焼き肉を食べるだけなら全然平気そうだ。むしろ元気が出る。


「僕は大丈夫です。綾乃は?」


「わたしも大丈夫。お肉、楽しみです」


 綾乃もOKということで、これから有城さんが行きつけだという二十四間営業の焼き肉屋に向かう。


 有城さんは「今日の功労者はあやのんだから、いっぱい食べようね~」とテンションが高かった。


 焼き肉屋に着くと、軽く注文した肉をつまみながら今日のことを話す。


 どうやら有城さんは、僕から最初の連絡を受けた時点で桐生さんに声をかけていたらしい。桐生さんがマツダの履歴書を確認すると、明らかにスーパー・サクラギは生活圏外。なおかつマツダが保有するパソコンから『スーパー・サクラギの犯罪記録』を閲覧したログが残っていたので、桐生さんはこの時点でほぼクロだとわかっていたのだとか。


 しかしこの証拠だけで問い詰めるワケにもいかないので、マツダがどのような動きをするかを観察するために、僕たちを泳がせていたらしい。


 実際に関係のある全店舗から過去の録画映像を取り寄せて分析するとなると、多額の金と膨大な時間がかかるだろうし。まぁ僕たちを泳がせて、マツダにボロを出させるのが得策なのはわかる。


「でも、もし別の方法でマツダがオブシーンがどうか判断できるんだったら、先に言ってほしかったよねっ。そしたら綾乃ちゃんが危険な目に遭わなくて済んだかもしれないのにっ」


 片瀬さんはウーロンハイのグラスを両手で持ちながら、頬をふくらませた。どうやら僕と同じようなことを思っていたらしい。


「まぁまぁ。あやのんが囮になってくれたからこそ、マツダがオブシーンじゃないかって仮説が生まれたワケで。あやのんも大事な仕事をしてくれたと思いますよ」


 言いながら、有城さんは隣に座る綾乃の頭をスリスリと撫でた。四人用のテーブルに僕と片瀬さん、有城さんと綾乃が隣り合うように座っているので、綾乃は有城さんにされるがままだ。


「それはそうだけどぉ……」


 片瀬さんがグラスを持ったまま言う。照明のせいで分かりにくいけど、少し頬が赤い。酔っているのだろうか。

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