春香視点
さ、最近……お兄ちゃんの視線が変です。
見られてる時に……熱を感じるといいますか……。
知らず識らずのうち、こっちまで熱くなってきます。
「ねえ、舞衣ちゃん、これってなにかな?」
「ふふ、良い傾向ね。私も、その手を使ったから」
「ふえっ?」
「つまり、欲情してるってことよ」
「よ、欲情……はぅ……」
そ、そうなのかな?
でも……お兄ちゃんになら、気分が悪くないかも。
他の男の人なら、嫌だなって思うけど……。
「私も大変だったわ……どうしても、年下っていうのは不利だから。普通の感覚の人は、未成年とは一歩線を引くから」
「舞衣ちゃんも大変だったの?」
こんなに美人さんなのに。
「ええ、それはそれは……意識させるためにアレコレしたわね」
「へぇ〜」
「へぇ〜じゃないわよ。春香も、その段階まできたってことよ」
「う、うん……このあとは、どうしたら良いの?」
「うーん……あんまり押しすぎると男性は逃げるのよねぇ。少し様子見って感じかしら?」
「様子見……」
「別に普通にしてたら良いのよ。貴方の魅力に気づいたなら、あとは勝手に進んでいくわ」
「えっと……どういうこと?」
「ふふ、そういうところが可愛いわね」
……よくわからないけど。
わたしは、なるべく自然体でいるように心がけました。
そんなある日……お母さんから、私宛に電話がかかってきました。
「お、お母さん?」
『春香、久しぶりね』
「どうしたの?」
『そろそろかなって思って』
「な、なにが?」
『宗馬君とはどう?』
「どうって……さ、最近、お兄ちゃんの視線が違う気がする」
『あら! 良かったわねー。ずっと好きだったものね』
「う、うん……でも、高校生だからダメだって」
『あら……まあ、そこはプラスに考えましょう。きちんと倫理観のある男の人ってことで』
「それは友達にも言われたよ。きちんと相手の事を考えてるって」
『ウンウン、お母さんもそう思うわ』
「でも、わたしは今がいいの……」
『そうねー、その気持ちもわかるわ。じゃあ、春香』
「なぁに?」
『あと、少しだけ待ってなさい』
「ふえっ?」
『そうすれば、良いことあるから』
「えっと……?」
『ふふ、お母さんもお父さんも頑張ったわ。だって、息子はあの子が良いもの』
「よくわからないんだけど……」
『とにかく待つことよ。大丈夫、宗馬君はきちんと応えてくれるわ』
「う、うん?」
『それじゃ、またね。あっ、もちろん待つだけじゃなく、しっかり女を磨きなさいね?』
「うん! それは頑張ってるよ!」
『ならよし!貴方は自慢の娘なんだから、もっと自信を持って! それじゃあね』
……通話が切れました。
「うーん……結局、なんだったんだろう?」
とりあえず、二人が言うんだがら……待つことにしようかな。




