9009K列車 次来る時は
あさひサイド
あさひ「へぇ・・・。ここって結構色んなツアーやってるのね。」
張り出されているポスターを見ながら、感心の声が漏れる。冬になれば糠平湖が凍結することからさっき見た橋まで行けるらしいし、ワカサギ釣りとかもするのか・・・。
輝「何か参加してみたいツアーでも有った。」
あさひ「ワカサギ釣りとか面白そうじゃない。それともテル君はやっぱりこっちの橋を見に行くツアーの方が良いかな。」
輝「またお金が貯まった頃に来れば良いでしょ。それにツアーは2日に分けて参加しても良いかも。」
あさひ「あっ、それいい。」
輝「でしょ。そうなったら糠平温泉に泊まろうよ。そうすれば長いことゆっくり出来るから。」
そうやって、すぐ旅行の話に目を輝かせる。全くその顔は反則だ。
輝「今度来る時は札幌まで新幹線だからね。」
あさひ「じゃあ、帰りは飛行機ね。」
輝「・・・その前におじいさんとおばあさんに合いに行く方が先かな。」
あさひ「ッ。・・・そうね・・・。」
そういえば、私のお父さんのお父さんとお母さんは北海道に住んでたなぁ・・・。あれ・・・。
NPO職員「それでは、タウシュベツ川橋梁見学ツアーに参加の皆様。こちらにお集まりください。」
輝「行こう。」
テル君がさっと手を差し出した。その手を握るとぐいっと引っ張られて、全員が集まっているところに行った。参加している人間は私達みたいな若い人よりも年配の人が多い。また一人で参加している人もいる。多分、一人で参加している人の多くはテル君みたいな鉄道ファンなんだろうなぁ・・・。
全員が集まると注意事項を伝達された。あんまり離れないこと。ゴミはちゃんと持ち帰ること。水には入らないこと。野生動物の危険を隣り合わせなこと。当り前と思えるけど、これからそう言うところに行くって事を嫌でも思い知らされる。他に、長靴を貰った。これから行くところ川だもんね。
NPO職員「それではただいまよりタウシュベツ川橋梁までバスで移動します。では皆様、こちらへお進みください。」
職員さんの案内に従って、外に出ると1台のマイクロバスが止まっていた。それに全員乗り込むとさっき走ってきた道を走っていった。