9008K列車 蘊蓄
あさひサイド
輝「ッ。」
あさひ(あっ・・・。これは・・・。)
あさひ「えっと、ここってもしかして昔電車が通ってた所だったりする。」
と聞いてみた。
輝「そうだよ。ここに昔、士幌線が通ってたんだよ。」
そう言いながら、目を輝かせて左右を見る。そこだけ明らかに幅のある空間が続いている。ここが士幌線って言う電車が通っていた場所。
あさひ「どう考えても電車が通る場所じゃないような・・・。」
輝「確かにね。ここら辺、廃止前はバス代行だったらしいし。」
あさひ「バス・・・。バスって路線バスみたいな。ああいうの走らせるくらいには乗って・・・。」
輝「る分けないでしょ。」
あっさり否定された。
輝「その走るバスさえ100円稼ぐのに何千円。下手したら何万も投入しなきゃならないほどの赤字だったんだよ。体よく首切ったって言うのが正解だね。」
と笑った。
輝「でも、本当なら三国峠を越えて上川まで結んでる士幌線に乗ってみたくもあったかなぁ。」
あさひ「・・・。」
そう言いながら、テル君は左の方へ続いている路盤跡を見た。あっちが上川っていわれた方なんだろう。
輝「おっと。早く行かないとね。」
ピィッ。
鉄道線跡を越えて、案内に従って歩いて行くと湖が見えてきた。開けた先に白いアーチ橋が見えた。柱の下の方には水が有り、そこまで近づいてはいけないのだろう。
あさひ「そういえば、これから参加するツアーってあの近くまで行けるの。」
輝「そうだよ。あの場所まで近づいていけるよ。」
あさひ「・・・それにしてもあんな所に良く作ったよね。」
輝「そうだよねぇ・・・。ここら辺って本当にヒグマの聖域だからさ。最悪、三毛別みたいなことも起きかねないような所の筈だからね。」
あさひ「あぁ・・・。三毛別ねぇ・・・。」
輝「写真撮ったら行こうか。」
あさひ「うん。」
テル君が先に首から提げているカメラで橋の写真を3枚くらい撮った。私もスマホのカメラで橋の写真を撮ってから、さっさとその場所を離れた。
車に戻って、すぐにさっきから何回も案内されていたひがし大雪自然ガイドセンターに向かうことになる。