9004K列車 流石の速さ
あさひサイド
テル君から「その日程で行程送るね」とうきうきな返事が返ってきてからスマホを確認していなかった。
あさひ「うわっ。メッセージの数多っ。」
何個も連続でテル君からメッセージが送信されていた。全部、旅行の話だ。本当にあいつは旅行になると目の色が変わるというか・・・。
「タウシュベツ川橋梁のツアー予約取れた。」
「フライトは往路がANA777便(1550→1735 機材B737MAX8)。」
「復路がANA776便(1225→1445 機材B737MAX8)。」
「千歳から南千歳までは快速「エアポート」とか使う。南千歳から帯広までは特急。往路特急「とかち1号」(南千歳827→帯広1041)。復路が特急「とかち10号」(帯広1924→南千歳2140)。」
「帯広からはレンタカーだよ。」
「↑と思ったけど、ANAの国内ツアーでレンタカー取ると安くなりそう。往路「とかち」取らずに帯広で乗り捨てすればいいかも。」
「高速は千歳東IC→音更帯広IC(道東道経由)で全行程最速2時間57分。」
「ホテルは千歳のルートインでいいら。」
と書き連ねられていた。
あさひ「ホント、張り切りすぎ。」
「明日はお休みだから、夜にいっぱい話聞くね。」と送ってから
あさひ(アレ・・・。テル君明日仕事だったっけ・・・。)
いや、それは後で気にすることにしよう。
家に帰るとテル君が待っていた。
輝「お帰り。ご飯有るよ。食べる。」
あさひ「うん、ありがとう。」
おかれるものはコンビニの一人用総菜。殆ど料理してこなかった男の人に手作りを求めるのは酷だ。これでも準備してくれるだけ有りがたいと思わなくちゃね。
あさひ「お休みの日に私が料理教えようか。もうちょっと食費抑えられるようになるし。」
輝「うん。本当はそれが出来た方が良いんだろうけどね・・・。頼むよ。で、それはそうと・・・。」
テル君の声色が変わる。
輝「あれでどうよ。」
あさひ「うん。あれでいいよ。でも、こっち出るのお昼でいいの。もうちょっと速くてもいいんじゃない。」
輝「ああ・・・。夜勤明けで突撃しようと思って。」
あさひ「大丈夫。そんなことして。体力持たないんじゃない。」
輝「うーん、そんなことないと思うけどなぁ・・・。777便の中じゃ寝れると思うし。」
本人が大丈夫と言ってるんだから、大丈夫なんだろうか。それでも心配にはなる。それで倒れられても私が困るのだ。
あさひ「体力お化け。」
テル君にとっては褒め言葉以外の何者でもあるまい。
一通りのことを聞いた母は「おお。気を付けて行ってきなよ。」と言うだけだった。