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9001K列車 日常?作業?

 タウシュベツ川橋梁。北海道に敷設された士幌線、糠平~幌加間に設置された鉄道橋。糠平ダム建設に伴う新線付け替えの為、同区間が廃線。糠平湖に沈むこととなった。なお、季節により糠平湖の湖上に姿を現すことから。幻の橋と呼ばれる。周辺の厳しい環境に対し、全く整備されずに晒されていることからまもなく崩壊すると言われている。

あさひサイド

ピンポーン、ピンポーン。

あさひ「ありがとうございました。」

 高1から始めたコンビニバイト。店長の推薦もあって正社員として働き始めてから1ヶ月。働く時間はバイトの時代からはるかに増えた。これが働くって事かと実感せざるを得ない。

ピンポーン、ピンポーン。

店員全員「いらっしゃいませ。」

 もう作業だな。

???「あさひ。」

ふと顔を上げる。

あさひ「あっ、テル君。」

そこには輝真太くんが立っていた。テル君っていうのはこの子の渾名。私がそう呼んでいるだけなんだけどね。レジの所には2つカフェラテが置かれていた。

輝「あと何分で終わる予定。」

あさひ「あと10分くらい。」

そんな会話をしながら、私はカフェラテ2つの会計を済ませる。いつものことだと想いながら、私は商品にシールを貼った。こういうのはいつも来るお客さんでもしない方が良いが、テル君相手にならまだ通用するやり方だ。

あさひ「2つで300円です。お支払いは。」

輝「○ナコで。」

支払いが終わると「じゃあ、表で待ってるね。」と言って店外に出て行った。テル君の会計が終わるとレジもちょうど人がいなくなった。一区切り付いたか。

あさひ「ふぅ。」

振り向くと私にこっちにおいでと手招きする店員が目に入る。

あさひ「何ですか、店長。」

店長「中百舌鳥君。もう上がってくれていいよ。彼氏君だろ、さっきの。」

あさひ「・・・ナッ、何でッ。」

店長「早く行ってやりなさい。」

 それにお礼を言って、店外で待っているテル君と合流する。

輝「お仕事お疲れ様。はい、これ。」

そう言いながら、さっき買ったカフェラテ1つを私に差し出してくる。

あさひ「うん、ありがとう。テル君もこれで仕事終わり。」

輝「うん。ああ。流石に24時間拘束されるのはキツいなぁ・・・。眠いや。」

あさひ「お疲れ様。帰ったら美味しいご飯作ってあげる。」

輝「期待してるよ。久々の手料理だからね。」

あさひ「久々って・・・。仕事出る前に食べたはずでしょ。」

輝「それでもだよ。あさひの作るのはどれも美味しいから。」

あさひ「・・・ねぇ、家帰る前にATM寄りたいんだけど、いい。」

輝「いいよ。あぁ、僕もよろう。」

 自分が働いてるコンビニでそういうことをしとくんだった。多少の後悔を抱きながら、帰り際にあるコンビニに寄った。なんでATMをかけたかったのかはいうまでも無い。

あさひ「お待たせ。」

輝「うん、じゃあ行こうか。」

あさひ「・・・やっぱりバイトと正社員は全然お給料違うわね。これで少しはお母さんの負担も減らせたらいいんだけど。」

輝「そうだな・・・。前みたいに倒れられても困るからね。あの時は焦ったなぁ。」

あさひ「あの時はありがとうね。救急車呼んでくれて。」

輝「別に当然の事しただけだよ。」

 マンションに着き、エレベーターで5階に上がる。廊下の真ん中くらいの部屋まで来ると鍵を開けた。ここが今私達の住んでいるところだ。

あさひ「ただいま。」

輝「ただいま・・・です。」

???「おっ、帰ってきたな。」

部屋の中でパジャマ姿の女性。髪はぼさぼさで化粧もしてない。もうテル君もこの家で過ごすようになってから1ヶ月経とうという時に・・・。家でももう少しマシな格好をして欲しいと思ってしまう。

輝「七海さん。ただいま・・・です。」

あさひ(テル君明らかに引いてる・・・。)

七海「ゴメンね。こんな格好で。」

と言いながらも改める気は無さそうだ。

七海「ほらほら。いつまでもそんなところに立ってないで。真太君もここが家なんだから遠慮しない。」

輝「は・・・はい。」

 靴を脱ぎ、家の中に入る。

あさひ「あっ、お母さん。お給料今月も入ったんだけど、いくらいれたら良い。」

輝「あっ、そうです。それ聞いとかないと・・・。」

と聞いた。するとお母さんは笑い出して、

七海「ハハハ。何言ってるの。若いもんがそんなこと気にしない。正社員になって初めてのお給料でしょ。自分たちで自由に使っちゃいなさい。真太君と旅行とかね。今月は私のお給料でどうにかするから。二人がそれ考えるのは来月からでいいのよ。」

輝・あさひ「えっ、でも・・・。」

言葉が出てこない。だが、こんな状況でも母親の口は達者なのだ。

七海「もしかして、孫でも出来た。二人ともすることしてたの。」

輝・あさひ「ッ。そそそそそそんなことまだしてません。」

七海「へぇ、まだねぇ・・・。同棲するくらいあさひだって心を許してるんだから、とっくに終わってたと思ったんだけど・・・。と言うか、その前に結婚か。」

輝・あさひ(と言うか同じ事前にも言っていたような)

輝・あさひ「まだ同棲1ヶ月じゃないですか。」

七海「恋人なのはずっと前からでしょ。二人ともそういう年頃なんだから○○とか○○とか○○とかもう終わっててもお母さんは何にも驚かないんだけど。・・・寧ろキスから先に進んでないことの方が驚きなんだけど。」

あさひ「お母さんッ。」

輝「・・・。」


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