プロローグⅡ 3 共感率100%
【マンション 玄関】
「ただいま~」
「ただいまだよ~」
「お、お邪魔します……」
覚達は信也を連れて帰宅した。
[ドドドド]
すると突然大きな足音がした。
そして
「兄貴!」「覚君!」
走ってきた春香と水穂。
キャンキャンと犬のように喜びながら覚を迎える。
そんな時、水穂を見て信也は驚いていた。
「み、水穂!」
「んぁ?なんで信兄がここにいんだ?」
「それはこっちの……」
「彼女俺の嫁候補」
そういうと信也は少し考えるよう顔になる。
「えーと、つまり君はどこかの大手会社の子供?」
「兄貴は朱雀グループの御曹司だよ信兄」
信也の質問に対して水穂は答えた。
「ほえ~そうなんだ!」
「というか君らの関係は何なの?」
次は覚が二人に質問する。
親縁関係なのは予想できる。
『従兄弟』
「つまりは信也君は海藤グループの……」
「次男の息子だよ。後タメ語でいいから」
「ふむ。OK」
そういうと二人は同時にタメ語になった。
友達としてのレベルが上がったのだろう。
「で、何で覚君は信也君と一緒に帰ってきたわけ?」
「ウェ?ああ、映画の帰りで出会ってさ。境遇に共感してそれで……」
「境遇に共感?でも信也君は覚君見たいに身分を隠しているようには……」
そして覚は黙り、信也と目を合わせた。
『共感はそこじゃないな……』
二人は心の中でそう思った。
「?何二人して頷いてるの?」
「いや……何も」
「うん。別に何もないよ……」
二人の共感はけっこうしているようだ
次回に続く