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プロローグⅡ 1 白い笑いと黒い笑い

「どうだみんな、うまいか?オムライスはよ」

「最高だね~」

「うまいに決まってるよ~」

「おいしいぜ」


三人ともいい返事をしてくれて嬉しい覚だが

これからどうしようかと悩んでいた……


(そういや昨日は気がついたらその場で寝てたけどよ……

 布団とかはどうするんだ?ないな。ないよな!)


部屋に空きはあるのだが

布団は客用を含めて3つしかないのである。


(まぁ、よくよく考えれば引越しの人とかが後々来て持ってくるよな……あれ?)


もうすでに今回の剣を素直に受け入れている自分に疑問を感じた覚。

だけどもうどうにもできないと思ってしまう自分もいた。


「な、なぁみんな。布団とか着替えとかはいつ届くんだ?」

「ん?着替えとかのこと?」

「そうそう、着替えとかのことだよ」

「着替えならもうじき届くよ~布団はないけどね」

「そうか…ん?」


その時覚に電流走る。


(な、なんだ?今の違和感ある返事は……布団はない?

あれ、おかしいのか?いや……おかしいだろ!)

「あのさ、ないと寝るに困るよ?」

「大丈夫~覚君と一緒に練るから必要ないんだよ♪」

「ああ、そうなんだ。……なんだってー!」


時間差驚き。覚のお得意芸である。


「おい、僕女!兄貴と一緒に寝るのはあたしだぞ!」

「なにを~この野郎女!」

「んだぁ、やんのかこらぁ!」


昨日の夜を思い出しそうな光景である。

覚はそう思っていた。

そして……


「美鈴は?」

「私はお兄ちゃんと寝るの」

「そうか~美鈴はさびしがりやだからな~」

「うん、美鈴、お兄ちゃんがいると落ち着くの」

「そうか、そうか~」


笑いながらしゃべる覚。

覚に見えないように黒い笑いを見せる美鈴。


「「そうかそうかじゃないー!そんなの僕(私)が許さない!」」

「本気にするなよ…俺は誰とも一緒に寝る気はないぞ」

「「「えぇぇぇえぇぇぇぇぇ!」」」


本気で落ち込む三人

それを見て何か気分がよくなる覚。

人の苦しみなんとやら……


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「もう寝るとことかの奴は俺が注文してやっからさ。とりあえず今日はどうするかね」

「なら僕といいことを……」


体をくねくねしながら覚に話しかけてくる。

覚は少し下がる。


「お前は昼間から何を言ってるんだ?」

「んもぅ。覚君になら何されてもいいんだよ僕は」


顔を少し赤くしながらそう言言いながら覚に近づいてくる春香。

それを見て覚の顔も少し赤くなる。


「何か昨日からはっちゃけてるなお前は……」

「お前とか真龍とかじゃなくて名前で呼んでよ覚君」

「え、あ、春、香?」


[グハァ!]

春香は吐血して倒れた


「あ。まさかここまでの威力……」

(僕女のやついいなぁ~あたしも名前で呼んでもらおう……)


その後、二人の倒れる女が覚の家のリビングにいたのは言うまでもない。


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「春香ちゃんたちは何であんなふうになっちゃったのかな?」

「わからんよ……」


必然的に二人きり(実質は同じ部屋に後二人いるが)になってしまった

元から名前で呼ばれていて耐性の付いている美鈴にはまさに計画道理であった。


「ふむ。二人を留守番としておいといて……遊びに行くか、美鈴」

「うん、遊びに行こう~♪」


喜ぶ美鈴。そして見えぬように腹黒く笑う美鈴


(へへっ、あの屑女たち……うっへへへ)


本人ですら自分の考えをまとめられていない


「はっはは、どこがいいかなぁ……」


そんなことに気が付いているのかいないのか、覚はこれからのことを考える。

そして、その日覚たちは夜遅くまで遊園地や映画館に行ったりと色々遊び回っていた…


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覚達が遊びまわっている頃、倒れて4時間が経過した二人はと言うと


「う、う……ん?あれ、僕はいったい何を。あれ?覚君がいない!?」

「え、兄貴がいない!?」


春香が目覚め、覚がいないことに驚くとともに

水穂の目が覚める。


「うおっ、野郎女は何故僕の横に……まさか僕の!」

「あたしは同性愛者じゃない!兄貴一筋だ!」

「まだ何も言ってないだろ」

「言った様なもんだよ!」

「それより覚君はどこ行ったんだよ~」

「そう言えば……美鈴もいないようだ」

「え~!二人でどこかに行っちゃったんだ!」

「何だって!美鈴め、なんとうらやましい」

「探さないと!」

「でもこの家の鍵ないな」

「という事はどちらかがここに残ると」

「じゃ、あたしは行くぜ……」

「まてや、ごらぁ!僕が行くから君が残るんだよ!」

「はぁ、何言っちゃってんの?」

「いいから残れやぁ!」

「うるせえんだよこの僕女がぁ!」


毎度ながらの喧嘩が始まっていた…この人たちを止めるのは普通の人では不可能ですよ…


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「へくちっ!」「美鈴よ、風邪か?」「なんでもないよお兄ちゃん。」

(ふっふふふ、あの二人が私をねたんでうわさしてるんだと思うなぁ)


実は結構黒かった美鈴であった……





続く










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