プロローグ5 妹系とはこういうものか
突然三人称になります。
多分これからずっと三人称です。
目の前で言い争う二人を見ながら春香と自分の恋愛について深く考え始める覚。
そんな覚をよそに争いあう二人……
「海藤の三男の娘の癖にえらそうなんだよ君は! 玄武グループ長女の娘の僕に対してさぁ~」
「んだとぉ、地位なんて関係ないだろぉよ! 兄貴は地位なんか気にしないいい人だろうよぉ!」
「うるさいよ、どっちにしろ年下の癖に! 生意気なんだよ!」
「んだぁ?年上はえらいのかよ!」
「えらいえらくないは関係ないだろぉ! 地位とか関係ないとか言ってたのと同じだろうがぁ!」
「なら年上にこびる必要ないだろうがぁ!」
「それとこれとは違うだろぉ!」
言葉は違うが同じことを何度も何度も言い合っている二人……
その時である!
[ピーンポーン]
「ん、あ? 誰か来たのか?」
二人は言い争っているので気がついていないようだ。
[ガチャ]
「お兄ちゃん!」
「うおっ、美鈴じゃないか!」
「うん、美鈴だよ」
小学生高学年ほどの大きさの少女美鈴が覚の胸の中へと飛び込み喜んでいた。
「久しぶりだなぁ。確か病気が悪化してお別れした以来だなぁ」
「もう完治したんだよお兄ちゃん! これからはずっとお兄ちゃんと一緒♪」
突然現れた美鈴に抱きつかれながらも、他の3人とは違い
驚く事もなくやさしく話す覚。
美鈴は春香の次に覚といる期間が長かった存在である。
「まぁ、玄関で話すのもなんだからリビングにでも行くか」
「うん♪」
なお、現在も二人は言い争っており
覚達がリビングに向かっているのに気がつくことはなかった……
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「それで、今度から龍水高校に通う事になったのか」
「うん、お兄ちゃんと一緒だよ」
「すごいよなぁ、美鈴は頭良いもんなぁ~」
「えへへ、美鈴天才だもん♪」
日本でも有数のレベルである。
「ははっ、美鈴は可愛いなぁ……」
「えへへ、私を可愛いって言っていいのはお兄ちゃんだけだよ~」
ちなみに親が可愛いということも許さない。
その後も笑いながら楽しく会話を続ける二人
そして聞こえてくる大きな足音。
『覚君(兄貴)!』
「ん、あれ? 話し合いは終わったの?」
『別に話し合いはしてない(よ)!』
妙な所で息の合う二人。
微笑ましいったらありゃしないであろう。
「て言うか何? 僕達二人を無視して美鈴と楽しくしてるってどういう事なの?」
「どう言う事かと聞かれても。ただ楽しく会話していただけとしか……」
「だからって私達を無視するのか兄貴!」
「んなこと言われてもな。玄関で話すのも美鈴に悪いし……」
『だからそういうことじゃなぁぁぁぁぁぁい!』
その後覚は2人と言い争いになり、その横でソファーの上で美鈴は寝ていた。
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「……はっ!あ、朝か!」
「むにゃ……覚君大好きぃ~」
「兄貴ぃ~」
「へへ……お兄ちゃむにゃ……」
美鈴以外は床の上に寝ていた。
覚は椅子の上だった……
昨日の夜の記憶があまりないようだ。
別に何もなかったが。
「つつ、体が痛い。あ、昨日作ってる途中で放置したオムライス……卵とか出しっぱなしか」
(時間はもう昼か。ふむ……オムライスでも作ってやるかね)
そうして覚はオムライスを作る事にした……
「あ。泉は結局どうしたんだろうか……」
それは誰も知らない
続く
高校一年生くらいに考えた作品をこのサイトに投稿していたのでどうしてこんな内容なのか現在の自分にはよくわかりません。
若気の至りだったのでしょう。
いろいろ忙しくて小説をかける時間が少ない今とはまったく違いますね。




