表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

詩など(象徴詩)

ふくれる。[檸檬 絵郎 版:あいうえお作文しりとり]

作者: 檸檬 絵郎

お気に入りユーザさんがやっとられたので、挑戦してみました。

ただやったんじゃつまらないので、独自のやり方で( ̄▽ ̄)


後書き欄に漢字入れた表記を載っけてますが、一例です。掛けことばみたいなのも何箇所かあるので。

 



 あまい


 いんこう


 うでおさえ


 えぐってなお


 おわらないよか


 からすのこえきき


 きぬをきてさりゆく


 くだらないよるはあけ


 けがれないこころはどこ


 こわれちまったきよらかさ


 さかしまやろうのいかさまし


 しせいうろつきひとたぶらかす


 すてばちをはじめてはやいくとせ


 せにはらはかえられぬだいじなへそ


 そういったもんにもはやなっちまった


 たとえていうならばいきるためのばくち


 ちのかようこころすてえらんだあまいみつ


 つみかさねるたびどうしてかむなしくなって


 てっぽうだまにうたれたようなつらさにおうと


 とけつしたそのちだまりにみるまぼろしのさかな


 なみをうつあざやかなみなものせいめいのしんぴに


 にしびさすいろのうつくしさにおもいだしたきぬぎぬ


 ぬれぎぬとしんじてくれずおもいあまりとめたいきのね


 ねこのさかれるようなだんまつまのこえおさえつけたぬの


 のらいぬのようにうすよごれたくらしのはじまりまうこのは


 はみだしてしまったこころそのはつろのままあくじおこなうひ


 ひとつきふたつきみつきはやいくとせもつづきうすれるぎもんふ


 ふしまつふしだらもせいかつのともとなりさらにまたねんげつをへ


 へらずぐちすらでずへいこうするようなひびにいたりあれはてたほほ


 ほんとうのせいかつなどもはやゆめものがたりのようにおもわれるまま


 まっとうなにんげんをさげすみつつうらやんでいのちつきるのをまつのみ


 みもよもないほどないていたころもとうにとおいかことなりいまなつかしむ


 むしくいのこのはははじまりのこのはかおぞましいはじまりをつげたこのはめ


 めのまえにまたあらわれたおまえはさらにみすぼらしいすがたになりふくかぜも


 もうこのよのものとおもえぬほどつめたくなりあしをすくうようにたちこめるもや


 やがてくるしでのときをまいじかんまちつづけたすえにひのおわりにつかるふろのゆ


 ゆかいとこころからおもえたきおくをさがしかこにあんねいをもとめるもみつからぬよ


 よろこびもうたかたのあそびむしんにただもとめあばれたさくやのきおくのみうかぶから


 らたいのままとけてしまえとねがういまこのときのほうがましかもしれぬとおもうにいたり


 りんねにとらわれるてんしくりかえすしこうもえいえんにとまってしまえとまたつよくいのる


 るいらんつまりつみかさねたたまごのようにいつくずれおちてもおかしくないせいしんのおのれ


 れんやのこどくをうめるためくりだすまちのよぞらにかがやきはなつきいろいつきわらうなうせろ


 ろめんにたおれたからだのかんかくがだんだんとうすくなっていくそろそろおしまいかおれのあいわ


 わらいがなぜかしぜんとこみあげてくるがほほはこおりつきかすかにえむことすらかなわないこのみを


 をごめくしんのぞうがとまるまでたんのうしてからたびだってやろうというさいごのむだなはんこつしん








 甘い咽喉いんこう。腕押さえ、えぐってなお終わらない余暇。

 烏の声聞ききぬを着て去りゆく。

 くだらないよるは明け、けがれない心はどこ?

 壊れちまった清らかさ、さかしま野郎のイカサマ師。

 市井しせいうろつき人たぶらかす、捨て鉢を始めてはや幾年いくとせ

 背に腹はかえられぬ、大事なへそ、そういうもんにもはやなっちまった。

 たとえていうならば生きるための博打、血の通う心捨て選んだ甘い蜜。

 罪重ねるたびどうしてか虚しくなって、鉄砲玉にたれたようなつらさに嘔吐。

 吐血したその血溜まりに見る幻のサカナ。

 波を打つ鮮やかな水面みなもの生命の神秘に西日差す色の美しさに思い出した離別(きぬぎぬ)。濡れぎぬと信じてくれず、思いあまり止めた息の根。猫の裂かれるような断末魔の声押さえつけた布。野良犬のように薄汚れた暮らしの始まり、舞うの葉。

 はみだしてしまった心、その発露のまま悪事おこなう日。一月ひとつき二月ふたつき三月みつきはや幾年もつづき薄れる疑問符。

 不始末、ふしだらも生活の友となり、さらにまた年月を、減らず口すら出ず、閉口するような日々にいたり、荒れ果てたほほ

 ほんとうの生活などもはや夢物語のように思われるまま、まっとうな人間を蔑みつつうらやんで、命尽きるのを待つのみ。

 身も世もないほど泣いていたころもとうに遠い過去となり、いま懐かしむ。

 虫食いのこの葉は始まりの木の葉か。おぞましい始まりを告げた木の葉め、目の前にまた現れたお前はさらにみすぼらしい姿になり、吹く風ももうこの世のものと思えぬほど冷たくなり、足をすくうように立ちめるもや

 やがて死出しでの時を毎時間待ちつづけたすえに日の終わりに浸かる風呂の湯。愉快と心から思えた記憶を探し、過去に安寧を求めるも見つからぬ

 よろこびもうたかたの遊び、ただ無心に求め暴れた昨夜の記憶のみ浮かぶから、裸体のまま溶けてしまえと願ういまこのときのほうがマシかもしれぬと思うにいたり、輪廻にとらわれ、流転しくりかえす思考も永遠に止まってしまえとまた強く祈る。

 累卵るいらん、つまり、積み重ねた卵のように、いつ崩れ落ちてもおかしくない精神のおのれ。

 連夜の孤独を埋めるためくりだす街の夜空に輝き放つ黄色い月、わらうな、せろ。

 路面に倒れた身体からだの感覚がだんだんと薄くなっていく。そろそろおしまいか、俺の哀話。

 笑いがなぜかこみあげてくるが、ほほは凍りつき、かすかに笑むことすら敵わないこの身ををごめく心の臓が止まるまで堪能してから旅立ってやろうという最後の無駄な反骨心。





  ***


なお、本作投稿時に一部ことばが変わってますが、画像バージョンもあります。投稿前にメモ機能使って書いたやつをスクショして切り取って名前入れたりしたやつです。なにやってんだか。↓


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 技巧も文章もお見事でした。
[良い点] 拝読させていただきました(・・*) 控え目に言って大好きです。 素晴らしい詩ですね。 目からお花の蜜が… あ、ただのレモン汁でした(つω・。) とても面白くて綺麗な詩をありがとうござい…
2020/04/08 21:48 退会済み
管理
[良い点] 堪能しましたよ( ´∀`) 後半ズルいやん!と思いながらも、“井戸マグ”と“かものはし”のれもん風タピオカ、的な作品だな、と。 れもん風味なのにサッパリしてない濃厚な苦味がクセになります…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ