海水浴場
全裸マン:
「今日は海水浴場に来ている」
全裸マン:
「夏の暑さは私に良く似合うな……」
ライフセーバー:
「あのー、ちょっとそこの人」
全裸マン:
「ん、私かな?」
ライフセーバー:
「はい、その通り。……海パンぐらい穿いてもらわないと困るんだけど」
全裸マン:
「はっはっは。知らないかもしれないが、私は、全裸マン! 故に、この恰好なのだ」
ライフセーバー:
「いや、何言ってるのか分かんないけど。マスクするくらいなら下、履こうよ。通報するよ?」
全裸マン:
「いや、ちょっと待ってくれ、お嬢さん。この辺りでピンチの気配を感じるのだ」
ライフセーバー:
「ピンチなのは、あんたの方でしょ。ほら、こっち来て。海パン貸してあげるから」
全裸マン:
「待て待て、そんな暇はない。。そうだ、君も探すのを手伝ってくれ」
ライフセーバー:
「はいはい、手伝うから。先に海パンね。そんなもんプラプラさせてる人の言うことは聞きません」
全裸マン:
(むむむ、中々手ごわいお嬢さんだ……こうなったら)
全裸マン:
「やむを得ん。”全裸ヌルヌル”!」
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* 全裸ヌルヌルとは!
*
* 全裸マンの鍛え上げられた筋肉を精一杯躍動させることで、
* 汗を沢山かき、全身をヌルヌルにしてしまう技である!
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ぬるんっ
ライフセーバー:
「うわっ、こいつ。腕がぬるっとして、掴んでられない!気持ち悪っ」
全裸マン:
「悪いなお嬢さん!また時間があれば、君の海パンの試着をしてやろう!」
ライフセーバー:
「ちょっと待て、この変態!」
全裸マン:
「はっはっは ”全裸ブースト!”」 ぴゅーん
ライフセーバー:
「は、はやい……!なんて速い変態なの」
ライフセーバー:
「もうあんな向こうに……」
ライフセーバー:
「うわー、海の上走ってるよ……人間かな、あれ?」
ライフセーバー:
「ん、何か抱えて戻ってきた」
全裸マン:
「おーーい!力を貸してくれ」
ライフセーバー:
「ど、どうしたの、その女の子!顔が真っ青じゃない」
全裸マン:
「溺れていたんだ。かなり心音が弱い」
ライフセーバー:
「すぐに心臓マッサージと人口呼吸をしないと!」
全裸マン:
「うむ、頼んだ。女の子に全裸スキルは使えないからな」
ライフセーバー:
「すー、すー」
ライフセーバー:
「どん、どん」
*
*
*
ライフセーバー:
「だ、だめね。全然目を覚まさない」
全裸マン:
「”全裸祈り”!!!!!」
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* 全裸祈りとは!
*
* 全裸マンの全身全霊の祈り。
* どうしようもないとき、人は祈るしかないのだ
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全裸マン:
「お願いだ……帰ってこい!頼む!」
ライフセーバー:
(この変態……女の子の手を握って泣きじゃくってる……なんて熱い男なの)
ライフセーバー:
(絶対この子を助けないと……!)
すーどん、すーどん、すーどん、すーどん
女の子:
「けほっ、けほっ」
ライフセーバー:
「や、やったー!意識が戻ったみたい」
全裸マン:
「おー、おー。よかったぁ。よかったなぁ」
ライフセーバー:
(うんうん、よかったよかった)
パチパチパチパチ
ライフセーバー:
(あら、ギャラリーからも拍手が起こってるわね)
ライフセーバー:
(全裸の人も女の子に頬を擦りつけながら喜んでるわ)
ライフセーバー:
(んー……でもちょっと、この画は、”まずい”わね)
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女の子のお母さん:
「ありがとうございます!ありがとうございます!本当に、なんとお礼をしたらいいか……」
ライフセーバー:
「いえいえ、そんな大したことは」
女の子:
「ありがとう!お姉ちゃん!」
ライフセーバー:
「どういたしまして。……これからは気を付けてね」
女の子:
「うん。気を付ける」
女の子のお母さん:
「私が目を離したばかりに……貴女はこの子の命の恩人です」
ライフセーバー:
「いえいえ、本当に大したことは。それに、本当にお礼を言われるべきは、あそこの全裸の人……」
全裸マン:
「いやぁ、これは私のポリシーというか……全裸じゃないと、どうにも調子が出ないというか……」
警察:
「はいはい、続きは署で聞くからね」
全裸マン:
「あっ、ちょっと待ってお巡りさん。全裸マン!私、全裸マンです!」
警察:
「はいはい」
こうして、全裸マンは抵抗虚しく、警察に捕まってしまった。