公園
全裸マン
「さあ、今日もパトロールだ」
全裸マンは日課のパトロールに出かける。
意外にも、彼はパトロールに出かける際は、普通の成人男性の様に服を着て歩く。
何故なら、この国には法律というものがあるからだ。
全裸マン
「むむむ、ピンチの気配がするぞ」
ピンチの気配は彼の乳首がプルプルと震えることで、知らされる。
今回は右の乳首が小刻みに震えているので、右にピンチな人が居ることが分かる。
全裸マン
「待っていろ!すぐに行く」
そう言うと、彼は服を脱ぎながら走った。
************************************
子供A
「まーくん、そんな高い樹に登っちゃ危ないよ」
まーくん
「平気さ……さあ怖くないよ。こっちにおいで」
公園にある8m近い高さの木の枝の上で、下りられなくなってしまった子猫が震えている。
”まーくん”は木に登り、その猫と同じ枝に乗って、幹に近いところから子猫に呼び掛けていた。
子猫
「にゃー」
まーくん
「仕方ない。僕もそっちに行くから、絶対に動いちゃ駄目だよ」
そう言って”まーくん”は枝の先へと慎重に向かっていく。
まーくん
「ほら、捕まえた」
子猫
「にゃー」
子供A
「わっ、危ない!」
その時、強い風が吹いた。
その風に煽られて、”まーくん”は子猫を抱きかかえた状態で、木から滑り落ちた。
まーくん
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
子供A
「まーくん!」
全裸マン
「はい、全裸マン参上!」
”まーくん”の背中が地面に叩きつけられようかという、正にぎりぎりのタイミングで、全裸マンが彼を抱きとめた。
全裸マン
「怪我はないかい?」
まーくん
「う、うん……」
子供A
「変態だぁ!」
全裸マン
「変態ではない!全裸マンだ!」
子猫
「にゃー」
全裸マンは”まーくん”を地面に立たせると、その頭をポンポンと叩いた。
全裸マン
「今度からは、猫を無茶して助けようとしてはいけないよ。大人の人か、この私!全裸マンを呼ぶといい」
まーくん
「わ、わかった。今度からはそうするね、ありがとう……あと、パンツくらいは履いた方がいいと思う」
全裸マン
「はっはっは」
こうして、全裸マンは去っていった。
まーくん
「全裸だけど、カッコよかったなぁ」
子供A
「そうだね。けれど、絶対にアレにはなりたくないね」
まーくん
「うん。あれは社会的にアウトだね。ちゃんと勉強して、いい会社に就職したいな」
子供たちは、少し大人になった。