屋上
ービルの屋上にてー
女性:
(ここから、飛び降りれば……楽になれる……)
???:
「ちょっと待ったー」
女性:
「だ、誰?」
???:
「私は全裸マン!全裸のヒーローだ!」
女性:
「きゃ、きゃーー。こっちに来ないでー!」
全裸マン:
「ふふふ、来てほしくなかったら、飛び降りるのは辞めることだな」
女性:
「いや、そんなプランプランさせないで。下品で吐きそうだわ」
全裸マン:
「ふふふ、プランプランしてほしくなかったら、飛び降りるのを辞めることだな」
女性:
「あ、駄目だ。力が抜けちゃうわ。あっ」ツルッ
全裸マン:
「あ、危ない!”全裸ブースト”!」
全裸ブーストとは!
腸内で圧縮したおならを勢いよく放出することで!
瞬間的に前方へスピードアップする技である!
女性:
「あれ……落ちてない。は、全裸マン!」
全裸マン:
「危ない危ない、間一髪だったな。今引き上げてやるから、安心しな」
女性:
「あ、ありが……きゃー!」
全裸マン:
「ど、どうしたんだ」
女性:
「め、目の前に貴方の股間が……ガクッ」
全裸マン:
「おー、重たくなった。意識を失ったか……失礼な奴だな」
そして、女性を引き上げた私は、彼女をビルの屋上に寝かせた。
全裸マン:
(このままでは、起きたらまた私を見て気絶してしまうな……仕方ない、着替えるか)
このまま放置して、また死なれては助けた意味がないので、私は着替えて女性が起きるのを待った。
女性:
「ん、うーん。こ、ここは」
着衣のイケメン:
「目覚めたみたいだね」
女性:
「は、全裸マン?服、着てくれたんですね?」
着衣のイケメン:
「(全裸マンが私だとバレてはいけない。ヒーローとはそういうものだ)オー、全裸マンジャナイヨ。サッキ彼ガ君ヲ助ケタンダロ?彼カラ聞イタヨ」
女性:
「どうしてそんなに片言なんですか?」
着衣のイケメン:
「イヤ、別ニ。気ニシナイデ。ソレヨリ、ドウシテ死ノウトシタノ?」
女性:
「昨日の夜、ずっと付き合ってた彼氏に振られたんです」
着衣のイケメン:
「ソウナンダ……ソレハ辛カッタネ。デモ、絶対ニ死ンジャイケナイ!生キテレバキット良イ事ガ在ルンダカラ!」
女性:
「その喋り方疲れません?全裸マンさん」
着衣のイケメン:
「ウン、ツカレ……ってあれ、な、何故私が全裸マンだと気づいたんだ!」
女性:
「いや、顔一緒ですし。声も一緒だし。そりゃ分かりますよ」
着衣のイケメン:
「あれ、今日僕マスクしてなかったっけ?」
女性:
「はい、ずっとそのお顔でしたよ」
着衣のイケメン:
「……」
女性:
「……」
着衣のイケメン:
「それじゃあ、今日の僕は唯の”全裸の変態”じゃないか!」
女性:
「いや、マスクしてても”全裸の変態”には変わりないですよ!」
こうして、全裸マンの正体がバレてしまった。