表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者でなくとも冒険を。  作者: どく
8/34

#7 出発

1話が短いんじゃないか

※割り込まれました(19/02/11)

「行ってきます。」

背負った重い荷物のせいか自然と背筋が伸びる。

とうとうこの日が来たのだ。


この村からセントレアまではかなり距離があるため都市から仕入れに来る商人の馬車に同乗させてもらう。


姿が見えなくなるまで身振り手振りで別れを惜しむなんて初めてのことだった。家族の存在の大きさに改めて気づかされた。


ガタゴトと不快に揺れる荷台で振りすぎて痛む右腕をさする。


9年共に過ごした家族と別れたのだから少しくらい感傷的になってもいいんじゃないか、そんな思いを商人の他愛ない問いかけに邪魔される。


俺は接点のない人との無理な会話が苦手だ。

気の無い返事を返す。

床屋に来たみたいだと、そう思った。


「いけないな。昔の俺に逆戻りだ。」

「え?何か言いましたかい?」

商人がこちらを振り向く。

「ああ、いやなんでも。」


ふと外に目をやると大きな青い花がたくさん咲いていた。遠くには高層ビルくらいの高さはありそうな大きな木やしずく型の門のような遺跡がそびえ立っている。


初めて見る景色だ。いつの間にかかなり進んできたらしい。

異世界に転生したのだという実感が久しぶりに俺を襲った。

高揚感が今までの陰鬱な気分を嘘のようにかき消す。


俺も大概子供っぽい性格だよな。もう23歳なんだけどな、あーでもこっちで9年過ごしてるからね32か?

いや最初の6年も足したら───


「なんでしょうかねあれ」

そんなどうでもいい自己問答は商人の一言によって遮られた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ