#4 退治
早く旅に出ろって僕もそう思います。
※表現を修正しました(19/02/11)
カーンカーンカーン
「お母さん、俺が行くよ!」
魔物の襲来を知らせる鐘と同時に俺は家を飛び出た。
15歳になった俺は母の代わりに魔物退治することがかなり増えた。正確に言えばもうほとんど俺がしている。
というのも──
「レオ!あそこだ!」
魔物を見張っていた男が叫ぶ。
いた。4m近い大きさなのを除けば絶滅したサーベルタイガーに似ているこの魔物はクルイークティガというらしい。
それなりにしぶとい魔物だから高火力でカタをつけたい。
普段の炎に一気に風を送り込むイメージで!
刹那、魔物を中心に大きな火柱が巻き上がった。
「あ、しまった。」
魔物を一瞬で灰にした白いほど光る炎は大きく広がり巨大な円状の更地を作った。
「レオ…魔物を退治してくれるのはありがたいんだがその馬鹿げた威力の魔法はやめてくれってこの前も言ったよな。」
見張りの男から怒号が飛ぶ。
「本当にゴメンナサイ。」
9年間の研究と鍛錬により増えた魔力と無詠唱魔法、そしてそれによって可能になった魔法創造の為にもはや俺は魔道士としての母の実力を優に超えてしまったのだ。