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おしんことオウちゃん

なし

おねだりしたのか。


店内暗くなる。


そして、照明が中央に集まる。

まばゆい演出。


突如。



ホールの中央に

シャンパンタワーが登場。


なんですと。


・・・


あまりのことに

しばし沈黙。


いつ持ってきたのか?!


やおら

おもむろに立ち上がる

オウ氏。


ひなこさんの腰に

手をまわしながら


シャンパンタワーに向かう。


むむ。

何がはじまるのじゃ。


そばにいた。

あいなさん、いわく。


「いつものことよ」


そんなこと言っても


いつもがわたしは、

知らないんですよ。


オウ氏

勝利者ごとく、

たかだかに緑のボトルを

かかげる。


雄たけびのように盛り上がる店内。


人生の成功者を祝う場か。



お店中。

わくこと。わくこと。


みな、総立ち。


これは、なにかのパーティですか。


IT長者の村祭りですかいっ。


そばにいた。

あいなさんもうっとりと

拍手喝采。




にこやかに

そそぎこむオウ氏。


ひえええええええええ。


げんじつですかいっ。


リアルと現実がまったくわからなくなってきたあああ。


結婚式の様相。


あっけにとられるとは

まさにこのこと。


・・・


あまりのばかばかしさに

私以外のみなさまは、


シャンパンを

配られ


一口のんで

お帰りになられた。


・・・


金額も心配だったのだろう。


わたしは、裏約束も知らず

取り残され、


あまりの衝撃に動くこともできなかった。


・・・


結局、わたしは、オウ氏と共に

お店で閉店を迎えた。


財布に、はなから

お金などあるわけなく。


オウ氏がカードで支払いをした。


ビルを出て

ホテルへの帰り道。

黒いアスファルトの道路を歩きながら

薄明るくなった空を見上げながら

酔った頭で、


「明日、銀行でお金をおろして返すから」


そう何度もつぶやいていたという。






「先生、実家から至急のお電話です。」



あいなさん


じゃなかった。


ゼミ生の七海さんがいつもどおり

私をよぶ。


彼女は、私と同じ名前なので

親近感を持っているのか


部屋の事務を

率先して引き受けてくれる。



われに返る。


見慣れたゼミ室。


さわぐ。学生。


おきなわの話をしている。


コードレスを

受け取る。

実家の母の声。


「ななみ。すぐに、帰ってこい。

 ばあちゃんが、ばあちゃんが亡くなった」


ごーーーーー。


今、思えばたしかに

そういう音が聞こえた気がする。


波乱の幕開けとなる。





















なし

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