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第8話


私がつくった折り紙の星たちやツルたち、そしてナイトたちも付いてきたがっていたので、ナイト達は肩に。ツル達はあまり高く飛ばないように注意して、星達は申し訳ないけどアイテムボックスの中に入るように言った。星たちは付いて行ければ良かったみたいで、アイテムボックスに素直に入ってくれた。

ツル達を見て、子供達が指をさしていたり、捕まえようとぴょんぴょん跳ねる。ツル達は楽しそうに飛んでいる。

ナイト達はまだ見つかっていないから騒がれてないが、時間の問題だよね。



『あはは、楽しそうだね。』

「ふふ、そうですね。」


『うぅうぁあーー』

おっと、捕まらなくて悔しかったのか、男の子が泣き出してしまった。


ツル達はオロオロと男の子の周りを飛ぶ。


「ごめんね。ツルさん達は意地悪で逃げてたんじゃないんだよ。飛べることが楽しく夢中になってたの。許してくれる?」

よしよしと撫でて落ち着かせる。


『ひっぐ…ほんと?』

「うん。…よし、じゃ。お詫びにお願いがあるんだ。」

『?』


さっき、確かに折り紙サイズの紙は無くなってしまった。だけど余白の余った部分がまだある。これは長方形なので、紙飛行機が作りやすい。


「…よし。これをここにいる子供達限定であげる。壊れやすいものだから優しく扱うんだよ?最後におまじないかけておくね。」

一呼吸置いて、

「飛行機さん。人に当たらないように避けて飛んであげて。あと、持ち主の子供が戻って来いと言われたらもどってあげて。」


「はい!これで完成です!もし、飛ばなくなったりしたら、広げてありがとうってかいてカッコよくお絵描きして、飾ってあげてね。」

『…???なーにこれー?』

嗚呼、紙飛行機を知らないのか。


「これはこうして遊ぶんだよ。えいっ。」

上に向かって飛ばす…すると風にのってぐるぐる旋回する飛行機。

それを見て子供達含めたその場にいた人々が…


“ふぉおー!!!”

“飛んだ!”

“材質は?!…え。紙 ?!”


盛り上がっちゃった。

飛行機に戻ってくるように伝えるとゆっくり下降して私の手に戻る。


その瞬間を見守った全員から拍手喝采!

は、恥ずかしい。


「え、えと。ほら、はい。これは君のね?」

『やったぁ!!』

『僕も!僕も!』

『あたしも!』

『わしもっ!』

『コトリ!俺に!!』


……はあ。

「これは子供限定です。紙が足らないですから大人は我慢してください。子供達は並んでくださいねー。」


大人押し退け私の前に一列に並ぶ子供達。

その中に紛れる見たことある人々…


「何してんですか。ロルフさん。ダメですって。後ろに並んでいるヘルシャもダメ。ファラン様もダメです。」

『コトリちゃーん!お願いっ。』

パンと目の前で拝んでも…

「ダメです。…さて、ルールはしっかり守って遊ぶんだよ。」


“はーい!!”

早く試したいという子供達が広場に向けて走る。広場の近くに公園があって、そこで飛ばし合いをするのだろう。同じになるようにしたし。持ち主の子供のところに戻ってくるように命令したし…喧嘩はないと思うけど。


気を取り直して、木工屋さんにレッツ…


『ごどりざぁーん!一生のお願いっ!!くだざいぃぃ!』


号泣しだしたヘルシャさんを落ち着かせないといけそうにないな。はあ。



「ほらほら、落ち着いてください。ヘルシャさん。作品を作るにしても紙を作らないともう本当にないんですって。」

『……はっ。ぞうでしたっ。ズズ…早くザナさんのとこへっ!』


足が軽くなったように走り出すヘルシャさんを慌てて追いかける。

その後ろには大量の大人が…!


……。

「ちょっと!鬼ごっこじゃないんです!それにこれから材料を貰うだけでそこで作るわけじゃ…」

『道具とかいらないからすぐ作れるよ?』

「……もー!ヘルシャさんのバカっ。」

『え。あ。ごめんっ。』


余計に増えたじゃないかぁ!



はあっはぁっ。つ、疲れた。


『…コトリさん…大丈夫?』

「大丈夫じゃないです……はぁ。」


『なんだい?こりゃぁ。ヘルシャ。説明。』

『あ、ザナさん!木屑ちょーだいっででででで!!』

『説明しろつってんだよぉ!!』


ヘルシャのこめかみをグリグリしている女の人。

「もっとやってください。」

『おっ。そうだな。』

『待って!やめっいだだだだだだ!!ギブッ!!』


ギブアップしたおかげで解放されるヘルシャさん。


「解放しなくていいのに…」

『とりあえず、説明が聞きたいからな。聞いた後でまたやるから安心しな。』

『安心できないっ!』


ということでかくかくしかじか…


『ほぅ、紙が空をねぇ。確かに興味深いが…子供にあげたおもちゃを大の大人がそんなに欲しがるかねぇ。』

『見たらザナさんだって欲しがるに決まってます!』

「ザナさん、とりあえずこの人だかりを消化したいのです…」

『おう、任せとけ。……すうっ。』


大きく息を吸い込み大声を出そうとする。すぐに危険察知のスキルにより危険だということを感知。耳をふさぐ。

『…散れぇえぇー!!!!』


ビクッと後ろにいた全員(一部を除く)が片道に逆走したり逃げ帰っていく。

そんな中残った一部の人というのが…

アイシャの耳を塞ぎなんとか耐え切っているロルフさんと、自分の耳を塞いで平然と立っているファラン様。そしてこちらも自分で耳をふさぐ見知らぬガタイのいいおじさん。


『年寄りを気遣わんか…アイシャ無事か?』

『…?なにがー?』

『何もないならいいんじゃ。』

『あいかわらずデカイ声ね。』

『手加減してるからいいものの…死人が出るからやめろ声でか馬鹿女。』


え。声だけで死人出るの?!

『うっせぇな。お前ら、あたしは可愛い子の味方なんだよ。さて、ヘルシャは伸びたな。あたしが紙の作り方教えてやるよ。ついてきな。』


ヘルシャさんの足を掴んで引きづりながらザナさんのお店に入っていく。


「木彫りですか?…すごいです。」

『ふふっ。お前、木彫りに興味あるのか、やってみるか?』

やってみるのはタダだよね!

「やりたいです!」

『よし、んじゃ先に木工おぼえっか。木彫りでできた後の木屑はあんたのものだ。』

おお!確かに!

「はいっ!あ、私はコトリと言います。ザナさんよろしくお願いします!」


こうして、木工を覚えることになりました!


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