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第11話

向かう途中、紙飛行機が目の前を飛ぶ。


『戻ってこーい!』

と子供ではない大人が叫んでいる。

持ち主であろう子供はなぜか泣いている。


追いかける大人は次々に増えて行く。

…。


「おいで。」

そうひと声かけると、飛行機は私の上を旋回して私の手のひらに降り立つ。

それをみた大人たちは…


『それ、俺のなんだ!』

『ちげーよ!おれんだ!』



…飛行機は子供達にしか配っていない。

そんな大人たちを無視して、泣いている子供のそばによる。


「大丈夫?」

『あの人がなぐったー!うわぁーん。』

「よしよし、もう大丈夫。どこが痛いの?」

『ひっぐ…ココ…。』

少し頭が腫れてたんこぶができていた。

…。


「……おねーちゃんがおまじないかけてあげよう。痛いの痛いの飛んでけー。……ヒール。」

『……あれ?痛くないよー?』

「よしよし、それで?どの人が殴ったの?」


そう聞くと私に隠れながら最初に俺の宣言した人を指差す。

大人たちはまだ言い争いをしていた。


「わかった。まずはこれを返すね。はい。」

『あ!僕のひこーき!ありがとう!』


そんな一言にようやく大人たちが振り向く。


『何してんだ!それは俺のだって言ってんだろ!』

「うるさいです。これは子供たちにしかあげていません。嘘をつかないでください。」


『なんでそんなこと言えんだよ!』

「私が作った本人だからです。渡した子供全員覚えてます。この子にもちゃんと渡しました。」


『へ?』

私が作ったと言った瞬間間抜け顔になる。

「しかも子供を殴って奪うなんて大人のすることですか!あなたたちは子供の見本となる存在なのですよ!もう子供じゃないでしょう!我慢すらできないのですか!」


『…。』

そこにいた全員が黙る。


まったく…。

『…あ、あのよ。』

「なんですか。」

『じゃあ、売ってくれないか?お金払って買うから…』


……?

「紙飛行機をですか?」

『お、おう!』

…ふむ。【売る】ですか。


「…そうですね。今すぐに売るというのはできませんが、いろいろと知り合いと相談した後…でよいなら店を出すことを考えてもいいですよ。」

『は、本当か!』

「ただし、また、子供たちから大人が奪ったとか一言でも聞いたら店は出しません!絶対に!」


『っ。わ、わかった!!おい、広めろ!広告でもなんでもいいっ。』

『広場で遊ぶ子供たちを守らねばっ。』

『…ああ。そうだ。店を開くかもって…でだな…』


ある人は大声で叫びながら走り回り、ある人は広場に子供たちを守りにいき、ある人は龍王さんにもらったような通信石で広めていった…


なんかおおごとになってますね。…店を出すには確かお金がかかるはず…依頼とか受けに行かないとですね。

みなさんにファラン様を紹介したら店のことについて相談してみましょう。

あ、みなさんのことを放置してました。


「すみません。脱線してしまって、ではいきましょうか。」


「え。いや、え?何今の。何が起きた?」

「イベントを自ら作り出すスタイル?新しいな。」

「……ふわぁ。」


リーヴは混乱して、コールドはよくわからないことを言って、シャールはキラキラした眼差しで私をみてました。他3人は呆然と立ちすくんでました。


「…?あの、行かないんですか?」


「…はい、いきますけど………うん。後にします。」

「そうだな。後で聞こう。」

「………。」


少し考えた末、みんなついてくる。


しばらくして、ロウルさんの店に着くと、勢いよく扉が開かれヘルシャさんが飛び出してきた。

『わっと…って!コトリさんじゃないですかぁ!噂をすればなんとやらですねっ!店を出すと聞きました!資金は安心してくださいっ!出資しますっ!それで店舗はですね!私が探しておきますっ!あとあとっ!』


「ヘルシャさん、落ち着いて聞いてください。開くと決めたわけではないです。」


『………はい?……………開かないんですか…?』

だんだんと涙が目に溜まってくる。

やばい。

「ですから落ち着いて…あのですね。とりあえず、中に入りましょう。」


『……開かないんですか…?』

「いや、ですから…」


『……開かない…』

『いい加減にせんか!いいから中に入れバカモン!』

『ごふッ…』

ロルフさんが出てきて腹に一発入れた。ヘルシャさん気絶。


「ありがとうございます。ロルフさん。」

『まったく…ほら、今の内じゃ。って、連れが多いの。』

「あ、ファラン様いますか?」

『おう、おるぞ。いつまでおるんじゃろうな。』

「魔法講座を彼らにお願いしたいのですが。」


『いいわよー。コトリちゃんっ代わりにお願いがあるのだけどっ!』

「はい?なんですか?」

『店を開いて?』

「……いつかは開きます。店を買うお金とかそういうのは自分で集めてやりたいので、とりあえずは依頼してお金稼ぎです。」


『あらーそういうことね!開くならいいのっ。じゃ、魔法講座しましょう。ロルフ、裏かりるわよ。』

『勝手にせい。』


「それでは、みなさん、頑張ってください。話を聞いて実践するのみですから……ん?どうしました?」

みなさんがなぜか、固まってました。目線は…ファラン様ですね。


「な、な、なんで。龍王の奥様がここにいらっしゃるのでっ?!」

「奥様となぜコトリさんがお知り合いっ?!」

「「「「(ポカーン)」」」」


『細かいことを気にするとモテないわよ?さ!いくわよっ。』

ズルズルとひこずって連れて行かれた。6人も引きずれるなんて…力持ちだ。


『コトリはどうするんじゃ?』

「冒険者ギルドにいって依頼見てきます。」

『そうかそうか、店、楽しみにしとくな。』

「あはは、頑張ります。」


ロルフさんに挨拶して次は冒険者ギルド。


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