第10話
ログインしました。ちなみに2人は少し遅れるとのこと。園長室に連行された後に園内掃除を言いつけられたと。
金剛先生も笹川先生に悪影響をうけてたなぁ。かわいそうに。
噴水広場の近くの椅子に座って…
「さてと。ヴァイスおいで。」
すると、魔法陣の中から飛び出してくるヴァイス。
キュ!
すぐにコアラ状態になるヴァイス。頭を撫でながらしばし休憩。
「今日は私の知り合いと遊ぶことになってるから、ご挨拶するんだよ?」
キュ?……キュ!
「でも、遅れるっていってたからなぁ。何してようか。」
キュ〜?
首をかしげる様子がいちいち可愛い。
癒される。
『あ!コトリおねーちゃんだ!』
「ん?アイシャだ。おはよ。」
『おはよー!ねえねぇ!なにか折り紙つくって!』
『おりがみー?アイシャちゃんなにそれー?』
アイシャちゃんと一緒に遊んでいたであろう子供たちがわらわらと集まってきた。
「そうだねぇ。じゃあ、馬に乗ったナイトを作ろうかな?」
キュ?
『お馬さん??』
「うん。ちょっと待ってねー。」
机がないからベンチをつかってきれいに折りすすめる。
………、
「はい、完成。」
頭を揺さぶった後ベンチの上で待機するお馬さん。
そのすぐそばにアイテムボックスからナイトを1人だす。
『おぉ!!!』
『騎士様?騎士様??』
ナイトが馬に触れて少ししたら背中に飛び乗った。
これで完成だね。手綱とかも一応作っておくかなそれらしく。でもやっぱり白い紙だからな。インパクトがイマイチ。片面に色つけとかできたら完璧な折り紙なんだけど…当分は色をつけてから折るしかないかな。
ナイトは全部で三体。だから、後2体分の馬を作らないとね。ちょっといろを塗ってからおってみるかな。
子供たちに色鉛筆を借りて黒と茶色の折り紙を即席で作る。そして、黒と茶色の馬が完成。
残り2体のナイトも登場させ、馬に乗ったのを確認して、ベンチの上を歩かせる。
『すごーい!』
『私もしたい!』
「教えることは可能だけど。動いたりはしないよ?それでもいい?」
『うん!作ってお母さんに自慢するの!』
何人かの子供達も教えてといってきたので、教えてあげる。
ちょうどいい時間つぶしになった。
ログインした人達はみんな少しチラ見して通り過ぎたり、遠目からこっちを見たりしている。
もう、気にしないことにしよう。うん。
ーー外部からのコンタクトメールが2件届いています。ーー
と通知音が響いた。
音量を下げたからそんなに頭に響くことはなかった。
それにしてもコンタクトメール?よくわからないけどとりあえず開くを選択。
差出人
笹川
用件
すみません。小鳥先生。ゲーム世界の名前を聞き忘れてて教えてくださいますか?
あと、今広場でイベントやってるみたいですよ!
差出人
金剛
用件
小鳥先生!アバターの見た目ちょっと教えてくださいっ!そして今どこですか!広場でイベントが発生してます!!至急広場に!!
「ん?イベント??」
辺りをキョロキョロと見渡すが、特にいつもと変わらない。
一応返信を打つ、すでに広場にいること。イベントなんて起きてないと書き込む。
するとすぐ返信。早いな。
差出人
笹川
用件
……ちょっと待ってください。小鳥先生、今まさかベンチ座ってます?
ちなみに僕は緑の髪で顔はあんまりいじってないです。見えます?名前はリーヴです。
差出人
金剛
用件
…小鳥先生、今子供達に群がられてますか?
間違ってると言ってください!
あ、俺の見た目は金髪の赤目です。手を振りますので振り返してください。名前はコールド。
顔を上げてキョロキョロと見渡す……あ。笹川さんいた。あとは…金剛先生は手を振ってるから目立つな。手を振り返す。すると、ビタっと固まる。
そして、ゆっくりと近づいて来た。
「…コトリ…さんですか?」
「コトリさん?!何でこうなってるんですか?!」
挙動不審の笹川先生と勢いたっぷりの金剛先生。
やっと、合流できたようだ。
『お兄ちゃんたちだれー?』
「アイシャちゃん、私の知り合いだよ。えと、緑の髪のお兄さんが、リーヴで、金髪のお兄さんがコールドだよ。ヴァイスも一緒にご挨拶。」
キュ!
まるで、よっ!と挨拶しているかのように小さな手を築き上げてひと声鳴く。
『おはよー!おねーちゃんの知り合いなのかー!コールドお兄ちゃんの方は昨日お店にいたね!』
え。そうなのか。あの場にいたのか。
「それは知らなかった。コールドさんいたんですね。」
「いや、うん。いたんだけどね。まさか、あの時の謎のプレイヤーというのがコトリさんだったとは…」
「コトリさんっ!先ずはフレンド登録を!」
フレンド登録を申請して2人と登録。
ーーリーヴさんとコールドさんとフレンド登録をしました。ーー
「聞きたいことが山盛りなんですが…」
「俺もです。あ、コトリさん今はソロですよね。うちのクラン入りません?」
「ちょっ!コトリさんは僕のクランに入るんです。」
「2人とも落ち着いてください。まだ、クランとかよくわからないので保留です。今日は魔法についてでしょう?」
「そうでした。すみません。それでですね、魔法スキル持ちの知り合いもご一緒でもいいでしょうか?」
「構いませんよ。そういう方がいた方がわかりやすいでしょうし…」
「…では、呼ぶのに少々かかるので待ってくだ「待たなくていいですっ!ここにいますっ!」っていたんですか…。」
割り込んで入って来たのはリーヴより背が低い女の子。薄いピンクの髪。薄い紫の瞳。なんとも可愛らしい魔女っ子装備。
「こんにちは。コトリと言います。」
「はじめましてっ!シャールといいますっ!魔法スキル持ち同士仲良くしましょう!」
なかなか明るくいい子そうだ。
「俺のとこのやつもすぐそこにいるから呼んでいい?」
「はい、構いません。」
コールドさんが呼びかけるとバタバタッと3人くらい一気にきた。
「結構いますね。」
「まあな。」
「僕のとこもいるんだけど時間が合わなくて。」
「では、そろそろ行きましょうか。」
『えー。もう行っちゃうのー?』
『おねーちゃん!今度はひこうきの作り方教えてね!』
『僕は剣の!』
『またねー!』
みんなにバイバイして、噴水広場から出てロルフさんのところへ向かう。