第9話
木工って工作の時間みたいですごく楽しいです。
ついつい時間を忘れてしまいました…。
『…あんたの作るもの全部生きてないか?』
「あはは、ですねぇ。」
母の手…最強説第2弾。動物園みたいになっちゃった。
鳥ばっかりだけど…
鷹、鳶、鷲、鶴、梟…全部私が好きな鳥ばっかり。
そんで、ザナさんの指導のとうりにした結果。
ーースキル木工を取得しました。ーー
ーースキル母の手が昇格。緑の手になりました。ーー
緑の手
母の手の効果も持続させたまま、さらに強化された手。植物を撫でると品質が上がる。契約獣に限らず、植物なども成長速度が上がる。
なんかグレードアップした。
あれ?母の手ってどんな効果だったけ?
母の手
本当の母には敵わないが、撫でられればどんなものでも癒される。
嗚呼、癒されてたね。色々と。
それにしてもかっこいいな。うん。
グルルゥ〜
ヴァイスはお気に召さないよう。
「ヴァイスは鳥嫌い?」
キューウ!
?
『ふふふっ我が子は嫉妬をしてるのよ。』
『早くないかの。思春期。』
『……気のせいよっ!』
『……認めたくないだけじゃろ。』
『………。』
『そんじゃ、次は紙作成だな。まずだな…』
続いて、紙作成のスキル!
ーースキル紙作成を取得しました。ーー
おおー。これでようやくだね。
あとは、静かな場所で折り紙に取り組むだけだねっ!
図書館がいいかなー?
『…用事終わったか?異界人どの?』
さっきからずっと黙り込んでいたガタイのいいおじさんが声をかけてきた。
「…?なんですか?というかどちら様でしょう?」
『俺は冒険者ギルドマスターのマルガという。お前さんに依頼を出したい。』
『は?ふざけんなよ?マルガ。わしが先じゃ!』
『いやいやいや、私が優先されるはずよ?』
『……私です!』
あ、ヘルシャさん起きた。
というか、急にモテ出した。
そろそろ時間がやばいのでログアウトしなくてはいけないのだけど…
「あの。私、元の世界にそろそろ…」
ギャーギャー…
ダメだ、聞いてない。もういいや。
「ザナさん。木工と紙作成スキルありがとうございました。」
『いいってもんよ。それと、帰るのはいいが、こいつらも連れて行けよ?』
あ、はい。もちろんですとも。
木彫りの鳥たちをみんなアイテムボックスに詰め込んで、ヘルシャさん宛ての飛行機とアイシャに花を。折り紙で折って、アイシャに預ける。またねと挨拶して噴水広場へ向かう。ヴァイスにもまた明日会うことを約束しておやすみと伝えてログアウト。
ーーーーーー
ふぅ。今何時?
始めたのが夜の7時で、今…0時。やりすぎたな。すぐに寝ないと明日遅刻しちゃう。
おやすみなさーい。
翌朝…
「小鳥せんせー!おはよーございます。」
「おはようございます。」
「小鳥先生っ!どうでした?!もしよろしければフレンド登録をですねっ!!」
「え?え?小鳥先生!ついにVRデビュー?!なんのゲームです?!!」
笹川先生の話に食いついたのは金剛先生。
金剛先生も同じゲームをやっていて、レベルも上の方らしい。ジョブは剣士。
「私は昨日始めたばかりなんです。まだ魔物と戦ってなくて…実践はまだなんです。」
とりあえず、ナイトたちがどれくらいの攻撃力を持ってるか今日確認してみようとは思っているけど…
金剛先生と笹川先生はギラッと一瞬目を光らせ、私はなんのジョブか聞いてきた。
テイマーですと答えると、明らかにテンションが下がった。
「テイマー…ですか。あれは初心者にはキツイですよ?アバター作り直したほうがいい。」
「なかなか仲間にならないし…」
同じようなことを言ってきた。
「あ、大丈夫です。もう、1匹仲間になってるので。その子強いし…」
ウルフを地形ごと破壊するし…
「仲間にできたんですか?!何を?」
「えと……秘密です。」
騒がれるのはあまり…
「…ですね。詮索はマナー違反。…あの、小鳥先生、詮索はもうしないですので、フレンド登録をですね…」
「…笹川先生、しつこいですね。嫌われますよ?そんなことより、近々イベントがあるかもしれないのです。」
イベントが?
「始まって、一週間しか経ってませんが…なかなか進展せず、運営がフラグになる何かを建て始めたのです!」
「進展してないのですか?」
「あはは、魔法のスキルを持っているのにも限らず、コントロールできないだなんていう醜態を魔法スキル持ちがやってるからですね。」
…???
「魔法つかえますよね?」
「あ、小鳥先生も魔法スキル持ちでしたか!確かに使えるのですが、まっすぐに飛んでいかないとかコントロールできないらしく…」
「あ、それは。修練をしてないからでは?」
「「はい?」」
「え?」
2人の先生方が何かを言おうと口を開いた瞬間なるチャイム。あ、外にいる子を中に連れていかないと。
「ゲームの話はまた後にしましょう。仕事仕事。みんな〜中に入ってー!」
そして、お昼。
なぜか、私の教室にいる2人の先生。
「小鳥先生!さっきの続き!」
「修練とは?!」
ゲームの進展がないことにかなり焦っていらっしゃる様子。なんでも、2人はあのゲームのβテスターだったけど、いろいろシステムが変わってお金は引き継げたのに他はできなくなっててトッププレイヤーと言われていたのに進展がないこと。進展できてないことをちょっと責められてると。
「えと、といってもですね。私は住人の方に教えてもらったらログに
ーースキル○○魔法を修練しました。ーー
という感じで出てきて、それからはまっすぐに飛ぶようになったとしか…」
「ステータス表示は変わってましたか?!」
「あの、住人の方というのは魔法職の?」
「いえ、あの方は…戦闘職…だと思いますよ?あと、ステータス表示は確認してないのでわかんないです。」
ファラン様は剣の心得も知っていたし…
「魔法専門じゃない住人からでも大丈夫なのかっ。」
「あのっ。今日一緒にやりませんかっ!」
「あ!僕ともっ!」
「えと………わかりました。…ですが条件があります。私の契約獣に関してあまり広めないでくださいね?」
「「へ?」」
あ、またチャイム。
「では、片付けをしなくてはならないのでお二方も自分の教室に戻ってください。集合場所は噴水広場で、夜7時でいいですか?」
「「はいっ。」」
「では後ほど。」
ふぅ。仕事ほったらかして、何してるのかな全く。あ、園長先生…あ。2人が捕まった。
……お説教部屋(園長室)に連行された。
………私しーらない。