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番外編 非魔法少女のフラグ回避に大変な日々

 記念SSリク、中学生になった真面目系女子大生の松坂さんの話。


 うーん。どちらかと言うと鉄板スカートがなくなった松坂さんの半ギレ生活です。


 リクくれた深海さんにサムズアップもらいました! 広い心に感謝しますm(_ _)m


「きゃあああ!!」


 制服のスカートが思いっきりひっくり返る。何で今日スパッツ履き忘れてんの! 私のバカッ!!


「よ、さすがだな。四中のマリリン! 今日はカップケーキと青いクッキーだな!! ごちそうさまでした!!」


 見知らぬ先輩は笑いながら拝み、去っていく。キッと睨みつけてやった。覚えてろ。名前は制服の名札で確認した。


 後で殺す。

 ジャージに着替えたら、飛び膝の刑に処す。腰痛に悶え苦しむが良い。私は黙ってるだけの女じゃない。ノックアウトさせるまでマリィになってから覚えたプロレス技、掛けまくってやる。

 


——惜しいっ! クッキーじゃなくてマカロンだよ! ついでにオヤツの間に書かれてる細い線のような文字は筆記体のLOVE SWEET 。甘いの大好き。甘いの大好きだって。ふふふ。あまぁくトロけさせてあ・げ・て☆ これはおしゃれな上下セット。色違いのピンクもお気に入りだよ!

 以上、今回のラッキースケベはパンチラでしたぁ〜。


 バカ神がケタケタ笑う。無言で頭をひったたく。ウチの中学のダサい青のジャージを来た半透明な少年。何故か黒い皮で出来た眼帯で左目を隠してる。


 見え難くないか? と以前聞いたら、コレを付けた姿が一番カッコいいんだよ。それに神だから、大丈夫。いざとなったら第三の目開けるからね、ほら。と謎に満ちた答えを返されたことがある。


 でも、君、ウチのジャージ着てるよね。

 

 原作では、翠色の髪と金眼で伏せ目がちな優しい少年だった。もちろん、ジャージなんて着てない。おでこにもう一つの目を開けてウィンクなんかしたりしない。

 それがまた、どうしてこんな厨二病な子どもになったのだろう。


 スカートを両手で力いっぱい握りしめ、怒りが込み上げてくるのを抑える。



 私が来たかったのは、こんな少年マンガの世界パラレルワールドじゃなーーっい!!



 

「佐々木さん、大丈夫? 気分悪いなら保健室行く?」


 ヒッ、と息を詰まらせて見上げると先生がいた。若い男性。危険だ。いや、先生自身は悪くない。悪いのは私についている疫病神だ。ヤツがいるだけでみんな変なこと考えやすくなってしまうのだ。早く断らな……


——おぉっと! これはまた新しいラッキースケベな予感!! しかも、保健室! 教師! ベッド!! え、断るの? だめだよぉ、ボクの出番だね!! ララララッキースケベッ! ボック、スッゴいっィエィ!!



「……ぃ、お願いします」

 私の意図に反して私は答える。私の体、いや、佐々木真里衣の体はバカ神に乗っ取られ先生に支えられながら、よろよろと保健室へ向かう。あ、胸タッチさせた! クソ神! わざとだな。殺す。神殺しの方法知ったら、絶対殺しに行く。


 中学生にしては発育してる胸。揺れる胸に感動したのは誰であろう私だ。思わずマシュマロ触感を楽しんでしまった。以前の私には……


 そんな場合ではない。さすがに貞操の危機を感じ、バカ神を追い出して保健室行きを免れる。


——マリィちゃんが戻るまで、私があなたの体を守る。




 私は松坂真理亜。大学三年だった。だったというのは、死んだからだ。飲み会の帰りに信号待ちしてたら、トラックが突っ込んできた。そのときに神々が現れ、ここに来た。今でこそバカ神だが、この神は創世三神の一柱でもあるのだ。



 私は魔法少女が活躍しているアニメの世界に行ってみたかった。心の同志である柚木くんと直接話したことはないけど、柚木くんがこのアニメが好きだと竹内くんに話していたのを聞いたことがある。


 そのとき、私もマリィが好きだ! と言いたかった。でも、話しかけられなかった。


 彼もこの世界にいるかもしれない。もしかしたら、竹内くんや橋本くんも。でも、ちゃんと『魔法少女』になるアニメ通りのパラレルワールドにいるかもしれない。ぜひ私もそちらに行きたい。



 でも、でも、私に彼らを探しているヒマはない。私はこのフラグ回避不可に近い中学校生活にいっぱいいっぱいなのだ。……何のフラグかって?


 ラッキースケベ要員のだよッ。


 この世界の私は、主人公のミラクルではない。ミラクル・マリィの世界と似た少年マンガだと思う。主人公もあらすじも分からないけど、ヒロインではなさそうだ。周りも恋愛関係ゼロな生活を送っている。私はただのラッキースケベ要員だと思う。無駄に可愛いのが災いした。



 私は桜が舞う卒業式、以前の自分が松坂真理亜だったと分かった。原作では、そこで白うさぎのミリィと出会いミラクル・マリィとなる。


 しかし、私はミリィとは会えず、三神の一柱『夢』と再会した。



——加護、得られなかったね。でも、大丈夫! ボクが付いてるよ。ボクがみんなの『夢』叶えてあげる。ボクの力を君に送るよ。



 全くもって、いらないっっ!!


 ったく。誰だよ、あん時パンチラ起きないかなって思ったヤツ。


 殺す。

 見つけ次第、絶対殺す。


 ソイツのせいで、このバカ神は人の『夢』はラッキースケベであると結論付けてしまった。訂正はその都度試みているが、多くの男子生徒が同じことを考えていると意外にガンコで、本当に困っている。


 あー、早く部活行きたい。

 ストレスにはスポーツだな、やっぱり。

 女性教官の女子テニス部。

 あそこは本当にホッとする。

 松坂さんはマリィに憑依してると思ってるけど、神が憑依してるだけで、彼女自身は転生です。

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