ベティンの街
二人の幼い外見に頭を抱えたアルバだったが、二人がトゥルースに属しているのは言われずとも理解出来た。
「飛翔の術式は制御が難しすぎて大型の魔導具無しでは、実用的でないと聞いていましたが、凄いですね二人共」
「姉さんは天才だからね、アタシもさっき教えてもらったばっかりよ」
と、言うことにしておいた、こういう説明が面倒な時は天才という言葉は役に立つ。
「まあ、長距離の移動だけなら転移の方が遥かに便利なのは確かですからね。
しかし、戦闘時にこれが使えると、戦術的にも戦略的にも優位にたてますからね……ファクトリーに帰ったら技術開発局にでも術式を提供しましょうか」
そんな事を話しながら3人は街へと向かった。
石造りの壁はグランゼリアやトラリシアに比べれば低い物だ。
しかし、国境沿いの街と言うだけあり、守りは堅牢で多少の魔物の群れならなんなく撃退可能である。
「宿を取っております、そこで集めた情報を開示します。
総隊長からあとはお二人に任せろと」
「アルバ殿は幼い我々が軍事に関わる事に異論はないのですか?」
「総隊長と互角に渡り合う武力と連絡を受けています。
私は、拝見しませんでしたが、総隊長が軍事を任せると言ったからには実力は本物なのでしょう。
なら私ごときが異論を唱えるなど出来ようはずありません、総隊長の言葉は絶対ですからね」
宿に向かう3人、傍から見れば兄妹が仲睦まじく歩いている様子だ。
この街ベティンは今グランゼリアの正規兵が駐留しているが、マルシカで起こった内乱の影響で比較的に穏やかな雰囲気だった。
難民が流れてきていないあたり、まだ本格的な戦争状態には突入していないようだ。
「お二人共、お腹は空きませんか?
宿までの道中に食事処があるんですが」
「あ〜、確かに腹減ったかも」
「セシルはしたないわよ」
などと言いながら、キャロルもお腹が鳴った。
それもそうだ、朝食のあと、武器を受け取り、昼頃闘技場で試しに武器を振り、半壊させた闘技場を片付け終えたと思ったらセシル共々呼出され、すぐにグランゼリアを発ったのだ。
空腹でないわけがない。
漂ってきた肉の焼ける匂いにはキャロルも勝てなかったわけだ。
「ははは、じゃあ行きましょう行き先の店の肉料理は中々の1品ですよ」




