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アリーゼVSキャロル その後

 声のした方向を見やる一同。

 そこにいたのはニコニコ笑顔のルクスと眉間に皺を寄せているリアの二人だった。


 「アリーゼェ、テメェまた設備ぶっ壊しやがったなあ!」 


 「リア様!? 申し訳ありません! でもでもああしないと防げなかったし」 


 「避けるなりしろ! いっつも正面きってぶっ壊そうとするから隙が出来るんだろうがよ……じゃねえわ! そもそも結界無しでヤルな! いや更に言えばまだ入隊してない一般人とヤルな!」


 アリーゼの眼前まで迫り、腕を組んで仁王立ちして怒るリア。

 アリーゼと言えば先程までの威勢は何処へやら、小さな体を更に縮めて、手遊びしている様はイタズラがバレて親に叱られている子供にしか見えなかった。


 「まあまあリア、そのへんで。

さあ皆、ゴメンだけど片付けようか、今日の訓練は片付けが終わったら切り上げようか」


 そう言いながら、ルクスは瓦礫を小枝でも拾うかのように持ち上げ、魔術で塵に変える。

 それに続いて観戦していた兵達も瓦礫の撤去や地面、壁の修復作業を開始した。


 「リア様、この度の件は私にも至らないところが――」

 「分かってらぁ、お前も反省しろ」


 と、叱られているアリーゼを庇おうとキャロルが口を挟もうとするが、リアから頭に軽く手刀の一撃を貰い、二人まとめて説教を喰らうハメになる。


 そんな二人を尻目に、セシルはと言うとルクスの傍で瓦礫の撤去作業を手伝っていた。 

 

 「総隊長、この子たちはいったい――」


 ブレイブファクトリーの最優の一角を打ち負かしたキャロルと、現在説教を受けている二人を見ながらニヤニヤ笑い、尚且つ当たり前のように瓦礫の撤去作業のために魔術を行使するセシル。

 そんな二人を見ながら傍で瓦礫の撤去作業を手伝っていた兵の一人がルクスに聞く。


 「んー、なんて言えば良いかなあ。

 まあそうだねえ、今は期待の新人としか言えないなあ」


 「新人、ですか」


 「とはいえ一般試験はまだだし、大事なお客人っていうのが1番しっくりくるかな?

 と、言うわけで皆には後で通達するから、よろしく」

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