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城へ

 二人は馬車に案内され、城へと向かう。 


 これからの生活は今までのようにはいかない、さて、どんな展開が待っているのか、とそんな事をキャロルとセシルが話し合っていると、馬車は城に到着した。

 馬車のドアが老騎士により開かれると、二人の目の前にメイドが数人左右に分かれて立ち並ぶ。

 その内の一人、顔に皺は見えるが、美熟女と呼ぶのが正しい表現か、金髪碧眼で端整な顔立ちのメイドが二人の前に立ち深々と頭を下げる。

 

 「お初にお目に掛かります、私、トラリシア城のメイド長を任されております、ニヤナと申します」


 「ご丁寧にありがとうございます、私はキャロルと申します、こっちは妹のセシルです」


 「お~、メイドさんだ、セシルですよろしく」


 キャロルは老騎士に行った様に前世の作法ではあるが丁寧に礼を、セシルもそれを真似て礼をメイド長のニヤナに行うと、横に並ぶメイド達から「可愛い」だの「ちっちゃい」だの聞こえてきた。


 「こら、あなた達、お客様の前ですよ。

 失礼しましたキャロル様、セシル様。

 到着早々、申し訳ありませんがお二人に陛下がお礼を申したいそうで、よろしければお時間を頂いても構いませんか?」


 「もちろんです、まあ、ここに来た時点で断れる流れでもありませんでしょう」

 「それよりも、あたし達こんなナリだけど大丈夫なの?」


 セシルの言う通りだ、今の二人は汚れたワンピースを着ている、しかも所々破れているし、手足に泥も付着していた。

 いくらシルヴィアがこの二人を天使だと言っても、今の二人の姿ではそうは見えないだろう。

 

 「確かに一国の主に会うのにこの格好では」


 キャロルがワンピースの裾を摘まんだり、自分の手足を確認しながら苦笑していると、メイド長は微笑み、手を城の扉に伸ばす。


 「城内の浴場を準備しています、そちらで少しおくつろぎ下さい、お召し物は脱衣所で採寸させて頂いた後に、裁縫スキルを持つ私達メイドが即座に準備致しますので」


 「至れり尽くせりですね、断る理由もありません、ご厚意に甘えさせていただきます」


 キャロルが礼をし、セシルが続く。

 それに対しメイド長も礼を返すと城に向かって歩き始めたので、キャロルは振り返り、老騎士にも一礼してからメイド長の後に続いた。

 セシルは歩きながら振り返って手を振る。

 その様子に老騎士グスターは自分の孫の姿を重ねて見ていた。

 

 「あんな小さな子供が本当に、あの空を裂くような魔術を使ったというのか、なればやはりあの二人は間違いなく天からの遣いと言うことなのだろうな」

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