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邂逅=再会Ⅱ

「しかしまあ、あの勇ましかった男が、こんなお嬢ちゃんに生まれ変わるだなんてねえ」

「言えた口か、お前こそ随分と可愛らしくなったじゃないか」


端から見れば子供同士の口喧嘩。

しかし、この言葉を交わすよりも多く、二人の間では剣が交わっていた。

両手で握った剣をお互いに突きだし、剣先同士がぶつかり合う。

ふと、アンジェリカの姿が消えたかと思えば、キャロルの後ろに現れるもキャロルはそれに反応して剣を凪ぎ払うと両者はつばぜり合いへと移行した。


「お前から受けた傷から入り込んだ聖光輝は、私の魂にまで傷を残したのよ。

おかげさまで転生先の座標は狂うわ、入れ物の選別は失敗するわで苦労したわ」

「知ったことか! だが1つ納得がいったよ。 何故神が私をこの世界に転生させたのかがな!」


剣を弾き、お互いが後ろに跳ぶ。

ようはこの度の転生は自身の尻拭いなのだ。

神からすればそう言うわけでもないのだろう、しかし、成る程確かに相討ちとは言え一度は倒した相手であるならば、再び現界した魔王にあてがうに、それを倒した勇者を選ぶのは解らないではない。


「じゃあ何か、俺もこの世界に俺に因縁浅からぬヤツがいるってことなのか?」


セシルは呟きながらチラッと、魔王を名乗った少女と共に表れた青年に目をやった。

前世で傭兵として生きていた事もあり、数多の戦場を駆け、数多の兵を、要人を屠ってきた。

ゆえに、該当する人物が多すぎてセシルはそれらしい人物を思い出せないでいた。


「いや、そもそもあの白いのがあたしの世界にいた奴かも分からねえしな」


魔王を名乗った少女を援護するでもなく、白いコートを羽織った青年は、魔方陣を宙に複数展開し、何やらキーボードでも叩くように指を動かしていた。


「銃が欲しいとこだが仕方ねえな、威力は出ねえが気ぐらいそらせるか?」


白いコートの青年に動きがないのを確認すると、セシルは右手の人指し指と親指だけを伸ばし、あとは握って銃の形を模倣する。

指先に魔力を集め、魔方陣を展開。

魔力を固め放つ、そう言う術式だ。


「喰らいやがれ魔王の嬢ちゃん」

「マナバレット、この世界には存在しない術式だな、君も転生者かお嬢さん」


ふと聞こえた声に、術式の展開を止めてしまうセシル。

その表情は苦虫を噛んだようだった。


「てめえ、俺の術式を知ってるってことは――」

「勝手ながら君の魔力波形パターンを解析させてもらった、まあ恐らくは君だと思っていたよ、傭兵君」

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