カルキュレイション ワールド 97頁
うつむく禅輝
(禅)「俺は…どこほっつき歩いてるか分からねぇクソ親父も!俺のダチ乗っ取ってる天琊も!この手でぶっ飛ばして、まとめて連れて帰る‼︎」
禅輝がイマクニを一身に見つめる
(イマクニ)「フ、まるで仁を見ているようだ…約束していたな白鳳神矢を取り返す方法を」
(禅)「あぁ!親玉は逃がしちまったが領土は手に入れて来たぜ!」
(イマクニ)「見事であった、だが白鳳の実力には到底及ばない!故に先ずは〝冴刃英示〟と接触しろ!そして奴の能力があれば以前話した僅かな可能性が拓ける!」
イマクニは禅輝に力強く話す
(キャミィ)「犬王様、冴刃英示の居場所をご存知で?」
キャミィがイマクニに尋ねる
(イマクニ)「先日はすまなかったなキャミィ、奴の居場所は〝クレアシオンベルク〟中腹にある山小屋で隠居していると聞いてる」
イマクニがキャミィに話す
(キャミィ)「ありがとうございます、必ずや冴刃英示と接触し〝虎王〟様と共に世界の秩序を護り抜きます」
キャミィが片膝をつき拝手する
(イマクニ)「フ、〝雷銅〟め良い部下を持ったな」
微かにイマクニが笑う
〝バン!!〟
扉が勢いよく開きメープルが駆け込んで来た
(メープル)「報告‼︎ゴタン山内部解析班が白鳳により全滅したとの報告が入りました‼︎」
(禅)「ー‼︎白鳳⁉︎おいメープル!ゴタン山ってどこだ!」
禅輝がメープルを問い詰める
(メープル)「あなたがゴロン達を解放した山です、ですが行っても無駄で…」
(禅)「おいガウル!今すぐ船を出す準備を!今ならまだ近くに居るだろ⁉︎」
(イマクニ)「待て黒鉄‼︎貴様程度の力では白鳳には勝てん!本気で倒したいのであれば優先すべきを考えろ‼︎」
イマクニが禅輝を止める
(禅)「くっ…!わかった…行こう蒼葉、キャミィ、八戒!ガウルいままでありがとな」
禅輝がガウルに手を差し出す
(ガウル)「こちっこそ色々助かった、頑張れよ」
ガウルと禅輝で握手を交わす
(イマクニ)「うむ、ではガウル!グパへ連絡しカトレアより二千の兵をゴタン山へ向かわせろ!」
(ガウル)「ハッ!」
(イマクニ)「メープルはラニアンと共にカトレアへ向かえ!」
(メープル)「ハッ!」
イマクニがガウルとメープルに指示を出しガウルは玉間を出て行った
(禅)「じゃあ行って来る!イマクニのおっさん!メープル!」
(イマクニ)「武運を祈る」
(メープル)「あなたはいつも忙しいですね」
禅輝もイマクニとメープルに別れを告げ玉間を後にした
ーー鶏王領土・トリノス塔ーー
巨大な藁の巣にふんぞり返って座る鶏がいる
(コカリス)「ここ最近ワンちゃんの勢いが凄くて危機感感じちゃうわ」
鶏が膝をつく燕の騎士に話す
(スワロウ)「はい、確かにこの短期に犬王軍は〝牛王〟〝鼠王〟〝猪王〟の三国を手中に収め、確かに隣国の我々、コカリス様の脅威であるには違いありません」
(コカリス)「よね〜、けど向こうは一万の大軍、こっちは五千、ちょっと分が悪いのよね〜」
コカリスが燕の騎士に話す
(???)「御心配いりません」
(コカリス・スワロウ)「ー⁉︎」
コカリスと燕の騎士が声の方向を見ると黒いローブを着る者が立ってた