カルキュレイション ワールド 93頁
ー翌朝・ラットキャッスル城・会議場ー
会議場には〝禅輝〟〝蒼葉〟〝キャミィ〟〝ガウル〟〝オルガ〟〝八戒〟〝ヒバナ〟〝鬼嵐〟が円卓に顔を揃える
(ガウル)「早速だが、この鼠国を犬王軍が統治したいのだが…鬼嵐、ヒバナ、貴殿達はどう考える」
ガウルが鬼嵐とヒバナを見る
(鬼嵐)「私はガウル殿の意見に賛成だ、私はすでに一度は死んだ身…それに以前の私ではここまで両国が互いに手を取り合うなど実現成しえなかった事、全ての采配を犬王国にお任せしたい」
鬼嵐が静かに語った
(ヒバナ)「オイラも犬王国にお任せしたいヒノ」
ヒバナも同意する
(ガウル)「ならばこの国には私が留まり、外交役には鬼嵐とヒバナ両名を指名したい」
(鬼嵐)「お任せ下さい」
(ヒバナ)「ヒノ」
再び同意する鬼嵐とヒバナ
(オルガ)「まてガウルこの国には私が留まる、貴様は犬王様に報告をしに帰還しろ」
オルガが口を開く
(ガウル)「…わかった、お任せする」
ガウルが頷く
(蒼)「それとちょっと良いかしら?私たち猪王のいたボルブドゥール遺跡に用があるんだけど、立ち入りの許可もらえないかしら?」
蒼葉が口を開く
(八戒)「その話、同行させてくれぬか?私もフドウ様が亡き今の村の様子が気がかりだ…」
八戒も口を開く
(ガウル)「いいだろう、ボルブドゥール遺跡に寄り、帰還する航路を取ろう」
ガウルが返答を返す
(禅)「サンキューなガウル」
禅輝が礼を返す
(ガウル)「フン、貴様の功績を考えれば断れんからな…さて話はまとまった、ではオルガ後は任せた」
ガウルは席を立って部屋を出て行く
(禅)「じゃあ行くか蒼葉!八戒!キャミィ!…ヒバナお前の理想の国を楽しみにしてるぜ」
禅輝達も席を立ち扉へ向かう
(ヒバナ)「兄貴…!」
涙ぐむヒバナ
〝バタン〟
扉が閉まり禅輝達は部屋を出た
船へと乗り込む禅輝達
(禅)「よろしく頼むガウル」
(ガウル)「出航するぞ早く乗り込め」
禅輝達は看板へ向かう
(禅)「だいぶ乗組員が減ったな」
(ガウル)「大半はこっちに置いてきた、まだ〝グラン〟や〝ムルエ〟の統治に手が足りんからな」
(禅)「牛王のとこか…懐かしなぁ」
(蒼)「そんなヒバナとあんたアレで良かったの?お別れ…」
蒼葉が禅輝に問いかける
(禅)「ん?アレでいいんだよ男同士の別れってのは湿っぽいのは合わねぇからな」
禅輝は蒼葉に説明する
(ガウル)「帆を張れー!出航だ‼︎」
ガウルが船員に号令をかける
動き始める船
(ヒバナ)「兄貴ーーーーー!」
海岸にはヒバナが息を切らし立っている
(ヒバナ)「兄貴のお陰で国もオイラも変ったヒノ!兄貴の作ってくれたチャンスでオイラの目指す国を作ってみせるヒノ!兄貴達も迷わず進むヒノーー!」
(禅)「わかってらぁ!じゃあなー!」
(蒼)「元気でねー!」
禅輝と風子は力一杯声に出し応え
船はイウン地方へと向かう