カルキュレイション ワールド 86頁
八戒は鬼嵐目掛け走り出した
(八戒)「(まだ間に合うのか…⁉︎戦士の誇りよ!!)」
ーー五年前ーー
猪に跨がる若き八戒
(八戒)「チン、あれが噂の守護神か? 」
(チン)「はい!ただいま苦戦をしいられている原因は、あの裏門を守っている鬼嵐ただ一人によるものです!」
(八戒)「フドウ様より預かる鼠の国攻略の為の兵、およそ二千がここまで来て僅か三十余り…流石は鼠の国の守護神、見事な兵の配置、戦術、何より奴の武の高さがこの結果を招いたか…」
互いに睨み合う鬼嵐と八戒
(八戒)「チン、私が出る」
(チン)「八戒隊長…」
八戒は猪と共に前へ出る
(八戒)「猪王様によりこの軍の隊長を任された八戒だ…貴様が鼠の国の守護神鬼嵐だな、噂にたがわぬ猛将ぶりだな…しかし!同盟を裏切り我が国の情報を鶏王軍に流し、罪なき村が襲われた!私は絶対に鼠王を許さない‼︎その為にもここは通らせて頂く!」
八戒が薙刀を鬼嵐に向ける
すると鬼嵐は両手の丸い盾を地面に落とす
(鬼嵐)「…ッ…本当に申し訳ない事をした、鼠王様に変わりこの国の守護隊長この鬼嵐がお詫びする!」
鬼嵐が跪く
その姿に驚く八戒
(八戒)「(なんて奴だ…敵を目の前に武器を放棄し、さらには王の行為に反意があるとは…)」
(鬼嵐)「しかし私にもこの門の先には守るべき仲間や家族がいる!悪いがここで食い止めさせて頂く!」
鬼嵐は両手に盾を拾い立ち上がる
八戒も薙刀を握り締め身構える
〝フッ〟
鬼嵐が姿を消す
(八戒)「ー‼︎」
八戒は鬼嵐のスピードに驚き姿を見失う
その時
(八戒)「…‼︎」
八戒は鬼嵐の足払いを受け体勢を崩す
〝サッ〟
さらに鬼嵐は八戒の背後に回り込み肘打ちを決め八戒を吹き飛ばす
〝サッ〟
吹き飛ばされる八戒を先回りし腕に付く盾で八戒を上空へ吹き飛ばす
(八戒)「ガハッ…‼︎(なんて速さだ…)」
〝サッ〟
鬼嵐は上空の八戒に追いつき盾で地面に叩き落とす
(八戒)「グォ…‼︎」
地面に叩きつけられる八戒
静かに降り立つ鬼嵐
(八戒)「ハァ…ハァ…(何て強さだ…それにアレだけのスピードで動いて呼吸が乱れていないだと…⁉︎)」
平然とする鬼嵐
フラフラになりながら立ち上がる八戒
(八戒)「(これ以上はまずいな…なんとか奴を上空に上げスピードを殺し、奴を仕留める!)…大地旱魃!」
八戒は薙刀を握り締め力を貯める
〝ゴゴゴゴゴゴ……〟
八戒の周りの石が浮き上がる
(鬼嵐)「(なんてエネルギーだ…)」
鬼嵐の額に汗が流れる
(八戒)「いくぞ!破亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜ーー!」
薙ぎ払う八戒




