カルキュレイション ワールド 83頁
鬼嵐と睨み合うキャミィと蒼葉
一方
(ハツネ)「さて、とどめを刺すか」
ハツネが倒れているガウルとオルガに近づいて行く
(オルガ)「く、不覚だ…」
(ガウル)「ハァ…ハァ、万事休すか…」
ハツネが銃を構える
(ハツネ)「仕上げだ」
ハツネが狙いを定めている時
(ハツネ)「ー‼︎」
咄嗟にハツネが身体を仰け反らせ頬から血を流す
(蒼)「ハツネー!私が相手だー‼︎」
蒼葉がハツネに向かい走りながら弓を構える
(キャミィ)「…⁉︎えっ、ちょっとアンタ‼︎」
キャミィが慌てて蒼葉の走る方角を向く
(キャミィ)「ー‼︎」
その瞬間に鬼嵐がキャミィに襲い掛かる
間一髪キャミィは鬼嵐の鋭い爪を防いだ
(キャミィ)「この忙しい時にッ!こうなったらとっととアンタを片付けて助けに行くしか無いね‼︎」
キャミィは鬼嵐の爪を押し返し反撃に出る
弓を引きながら走る蒼葉
(ハツネ)「チッ、忌まわしい人間め…貴様から消してくれる!」
ハツネは蒼葉に銃を向ける
(蒼)「(やっぱり走りながらじゃ狙いが定まらない…!となれば…‼︎)レインアロー‼︎〝雨矢〟」
蒼葉はハツネの頭上高くに矢を放つ
(ハツネ)「フン、どこを狙ってやがッ…‼︎」
無数の矢がハツネに降り注ぐ
(ハツネ)「くぅ!」
ハツネに無数の矢が刺さり間も無くして消えた
〝ツー〟
その場で動かないハツネの額からは血が流れる
(蒼)「さすがに倒れてくれないみたいね…」
蒼葉がハツネを見つめ呟く
(ハツネ)「…人間の分際で…調子に乗るなよ‼︎」
〝ギロッ〟
ハツネが蒼葉を睨む
(ハツネ)「細胞覚醒…増殖化‼︎」
するとハツネの全身の毛が逆立ち胸や脚が腕と尻尾同様に膨れ上がりハツネ自身ふた回り程巨大化した
(蒼)「な、なんなのよ…」
蒼葉が唖然とハツネを見る
(ハツネ)「フー、フー」
呼吸を整えるハツネ
(ハツネ)「驚いたか!鼠の能力は繁殖力と成長力、私はそれを身体で行い細胞を増殖させる事ができるのだよ!」
丸太の様な腕を見つめるハツネ
(蒼)「…絶体絶命ね」
蒼葉の表情が曇る
(ガウル)「フッ、弱音などらしくないぞ人間」
ガウルはフラフラになりながらも立ち上がる
(オルガ)「……」
オルガもハツネの攻撃を受けた脇腹を抑えながら静かに立ち上がる
ハツネの視界がオルガとガウルに向かう
(ハツネ)「死に損ない共め!鬼嵐!その猫は構うな!人間を狙え!」
ハツネの命令が鬼嵐に届く
(鬼嵐)「ー‼︎」
キャミィと鬼嵐の激しい攻防が止まる
〝フッ〟
鬼嵐が姿を消す
(キャミィ)「しまった‼︎」
キャミィが叫び直ぐ様後を追う
(キャミィ)「(マズイ!追いつかない‼︎)蒼葉‼︎‼︎」
蒼葉はキャミィの声のする方へ振り返る
(蒼)「ー‼︎」
蒼葉の目には鬼嵐の鋭い爪が襲い来る瞬間が映る
〝ガキーン〟
鬼嵐の爪を八戒の薙刀が間一髪のところで受け止めた