カルキュレイション ワールド 82頁
ガウルとキャミィの攻撃に動きの止まる鬼嵐
(蒼)「今がチャンスね!」
蒼葉が弓を放つ
〝フッ〟
再び鬼嵐は姿を消し蒼葉の矢が通り過ぎる
(蒼)「ー!!(なんて速さなの‼︎)」
蒼葉の表情が焦りに変わった時目の前に鬼嵐が現れ鋭い爪で蒼葉に襲いかかる
〝ガキーン〟
蒼葉を庇いオルガが薙刀で爪を防ぐ
(オルガ)「目で追うな!気配で感じろ!!」
オルガは爪を食い止めながら蒼葉に助言する
直ぐ様ガウルとキャミィが鬼嵐の背後に迫り
(キャミィ)「瞬転豪腕・破竹‼︎」
(ガウル)「狼影爪!」
ガウルとキャミィが技を放つ
〝フッ〟
姿を消す鬼嵐
(ガウル・キャミィ)「ー‼︎」
鬼嵐の速さに驚くガウルとキャミィ
(オルガ)「上だ‼︎」
オルガの声に一同頭上を見上げる
(鬼嵐)「ギャャャャャャャャャャャャャーーーー‼︎」
鬼嵐が咆哮をあげる
〝ビリビリ〟
耳を突く声が大気を震わせ一同を痺れさせる
(蒼)「くっ、なんて声よ」
耳を塞ぐ蒼葉
〝カチャ〟
(ガウル)「ー‼︎」
ガウルがピストルを構えるハツネに気づく
(ガウル)「クッ!」
ガウルは痺れの残る身体に力を入れ蒼葉の前に出る
〝パァーン〟
(ガウル)「グフッ‼︎」
倒れるガウル
(蒼葉)「ガウル‼︎」
抱きおこす蒼葉
(ガウル)「心配無い!敵に集中しろ!ウッ…」
ガウルは肩から血を流す
(蒼)「ありがとう」
蒼葉はゆっくりガウルを横にする
(ハツネ)「フゥー退屈だったんで少し刺激が欲しくてね」
ハツネが髭を整えながら言う
(オルガ)「ハツネ…貴様を滅す!」
オルガがハツネへと駆け出す
(キャミィ)「蒼葉、アタシらは此奴を」
キャミィと蒼葉は鬼嵐を見定める
(犬兵)「お、おい、オルガ隊長がキレたぞ…皆んな!敵捕虜を連れ、城から出るんだ!」
犬兵の指示により兵達が中庭から城外へ移動を始めた
(ハツネ)「フン、ゴミ共が消えたか…まぁ後でゆっくり始末するさ」
ハツネが言う
(オルガ)「勘違いするなよ…貴様に後など無い!」
オルガがハツネに薙刀を突き立てる
(ハツネ)「…不愉快」
ハツネの表情が変わる
走り出すオルガ
(オルガ)「ネロ・トフェキ(水流弾)‼︎」
オルガの掌から水砲弾が放たれる
(ハツネ)「やれやれ、たかが隊長クラスが…」
ハツネが水砲弾に向け腕を伸ばす
(ハツネ)「腕力増化!」
するとハツネの腕が数倍にも膨れ上がり
迫り来る水砲弾を鷲掴みにする
(ハツネ)「なかなか良い水圧だ…だが!」
〝パーン〟
ハツネはそれを握り潰した
(ハツネ)「その程度の技など…いない!?」
ハツネの正面にオルガの姿はない
ハツネの頭上が暗くなる
(ハツネ)「上か‼︎」
ハツネが見上げる
すると頭上にはオルガが薙刀を振り被る態勢でハツネに迫り来る
(ハツネ)「尾筋増化!」
ハツネの尻尾が腕同様膨れ上がる
(オルガ)「水刀両断‼︎」
オルガが勢いよく振り下ろす
(ハツネ)「甘い‼︎」
しかしハツネの尻尾がオルガの一撃を防ぐ
(オルガ)「く、なんて堅さだ」
呟くオルガ
(オルガ)「その程度の実力で思い上がるなよ‼︎」
ハツネはもう一方の腕も膨れあがらせ
(ハツネ)「ヘビーショット‼︎(重弾)」
巨大な拳が無防備なオルガを襲う
(オルガ)「グフッ…!」
吹き飛ぶオルガ
(ガウル)「姉さん!」
負傷しているガウルがオルガを受け止めるがその勢いにガウルも吹き飛ぶ
それを見つめるハツネ
(ハツネ)「フン、他愛も無い」
その状況を横目に見る蒼葉
(蒼)「(まさかあの二人がここまで…)」
(キャミィ)「蒼葉!こっちも気を引き締めるよ!」
鬼嵐を前に蒼葉とキャミィに緊迫な空気が流れる