カルキュレイション ワールド 80頁
実験室で資料を見る禅輝達
(禅)「おにあらし⁇」
禅輝は不思議そうな顔をする
(ヒバナ)「そうヒノ!鬼嵐隊長ヒノ!隊長は五年前、ハツネの手によって公開処刑されたヒノ!」
(禅)「なんで公開処刑なんか…」
(ヒバナ)「隊長はこの国、随一の武力と優しさと正義感を持った隊長だったヒノ…けどハツネの傲慢な政治に異議を唱え対立し、民衆の前で磔にされ、ハツネの暗躍部隊ハッカの手によって銃殺されたヒノ」
(禅)「ひでぇな…けど五年も前の奴の資料がこの実験室にあるって事は…」
(ヒバナ)「生きていたヒノ⁉︎」
(禅)「だとすると…中庭に戻るぞヒバナ‼︎」
禅輝達は急ぎ実験室を後にした
ーーラットキャッスル・屋上ーー
景色を眺めるハツネと鬼嵐
(ハツネ)「どうだ五年ぶりの外の空気は⁇」
ハツネが鬼嵐に話し掛ける
(鬼嵐)「……」
(ハツネ)「フンまぁいいさ、これから貴様には私の右腕となって働いてもらうぞ」
ハツネが鬼嵐に向かい語りかける
〝ザバァーーーーン〟
(ハツネ)「何だ!?」
突如中庭から屋上にまで水柱が上がる
ハツネは屋上から中庭を覗き込む
(ハツネ)「‼︎⁇…なんだこの状況は‼︎」
ハツネの目には犬兵に対抗する僅かな鼠兵の戦況が映る
ーー数分前・ラットキャッスル・中庭ーー
僅かな鼠兵と士気の高まる犬兵による激しい攻防戦
(ガウル)「鼠兵も僅か三十余だ!気を抜くな!このまま終わらせるぞ‼︎」
ガウルが犬兵に檄を飛ばす
(犬兵達)「オーーーーー!!!!!」
犬兵達の士気が上がる
(鼠兵)「調子に乗るなよ犬兵どもが‼︎」
鼠兵が剣や槍を突き出すが犬兵はそれを躱し急所に拳を繰り出し鼠兵に膝をつかせる
戦場のあちらこちらで捕縛される鼠兵達
(チランチ)「まずい…このままでは制圧されるまで時間の問題だ」
その状況を横目に見つめ呟くチランチ
(オルガ)「ネロ・トフェキ(水流弾)‼︎」
オルガの放つ水の砲弾がチランチに迫る
(チランチ)「風霊・風障壁」
〝ザバァーーーーン〟
オルガの水の砲弾がチランチの手に造られた風の壁により阻まれ水柱が吹き抜けの屋上にまで立ち昇る
〝ガキーン〟
オルガは直ぐ様水の薙刀を手にチランチに討って出ていたがチランチの盾に防がれる
(チランチ)「威勢はいいがまだまだだな!この国落としたきゃ〝氷拳のレトリ〟ぐらいは連れてきやがれ‼︎」
チランチがオルガの薙刀を弾き返す
(ガウル)「退がれオルガ‼︎」
ガウルがチランチに真っ向から立ち向かう
(チランチ)「調子に乗るなよ犬ども‼︎風霊・風切り!」
チランチの腕から風の刃が伸びガウルを切り裂いた