カルキュレイション ワールド 76頁
八戒の突然の話に身構えるガウル
(ガウル)「黒鉄やはりコイツ!」
禅輝は手を伸ばしガウルを制止させる
(禅)「八戒どういうわけだ…」
禅輝が真剣な面持ちで話す
(八戒)「今この国は鼠王ハツネの勢力とヒバナを中心とした反抗勢力に分かれている、そして総隊長ヒバナの指揮で全ての兵が配置されている」
(ガウル)「なんとあの子鼠が⁉︎」
(八戒)「そしてこの先の裏門前にはハツネの息のかかる二百の砲撃部隊が十門の大砲で待ち構えている」
(禅)「おいおい‼︎大砲まであんのかよ⁉︎」
(八戒)「だからこそ偽装拘束で無傷で乗り切りその先のヒバナの本隊と合流し、一気にハツネを叩く算段を立てた」
八戒が事の流れを打ち明けた
(ガウル)「しかし八戒、それでは我ら後方からの一隻分の援軍と海岸の第一陣が通過時の被害が想定されるぞ」
ガウルが八戒にこちらの状況を説明した
(八戒)「…安心してくれとまでは言えないが、十門の大砲の導火線に内部の火薬に引火しない様に切断しておいた、その隙を突けば二百の兵位ならどうにか対処できる筈だ」
(禅)「さすが準備がいいなヒバナ隊長!」
(ガウル)「ならば早速偽装拘束し、先ずは二百のハツネの兵を突破するぞ!」
ガウルが縄を取り出し八戒に渡し禅輝や犬兵達を縛り上げる
(八戒)「よし!これで準備は出来た、後をよろしく頼んだぞハムス!」
(ハムス)「任せて下さい八戒殿!このハムス命に変えてもヒバナ隊長の元へ必ずお連れします!」
ハムスが八戒に敬礼して応える
(禅)「おい八戒は来ねえのか?」
(八戒)「私は潜伏中の猪兵だ、それに後方の増援にも状況を説明する為にここでしばらく身を隠す、だが必ず最後には駆けつける!」
(禅)「おう!待ってるぜ八戒!」
禅輝は八戒に力強く言葉を交わす
(八戒)「あぁ!ハムス頼んだぞ!」
(ハムス)「必ず!八戒殿!」
そう言ってハムスは禅輝達を連れ進みだした
ーーヒバナ陣営ーー
〝カチャ〟
無線をきる鼠兵
(鼠兵)「ヒバナ隊長!只今八戒殿から禅輝殿達を送り出したと連絡が!」
拝手しながら報告する鼠兵
(ヒバナ)「順調に進んでるヒノね、ならオイラ達も残りの兵を集めて合流の準備ヒノ!チュー太に急ぎ連絡を!」
ヒバナは鼠兵に対し指示を出す
(鼠兵)「直ちに!」
鼠兵は急ぎ部屋を後にした
ーーラットキャッスル裏門ーー
鼠兵達に縛られ連行されながら裏門の砲撃部隊を目前に迫る禅輝達
(蒼)「けど本当に大丈夫なわけ⁉︎この状態で戦闘になったら全滅は間逃れないわよ!」
蒼葉は心配を隠せない
(禅)「大丈夫だ!こんな奴ら両腕縛られてても足だけで余裕だぜ!それにヒバナを信じろ!」
禅輝は額に汗を流しながら蒼葉を安心させた
その時進行が止まりハムスが叫んだ
(ハムス)「我々は茂みに潜んでいた〝伏兵部隊〟海岸戦で傷つき弱っていた所をこの通り捕縛した!これよりハツネ様の元へ連行する為道を開けて貰いたい!」
その声に応え砲撃部隊の先頭にいた鼠兵が片腕を伸ばし空に挙げると布陣が二つに別れ道が開けた
(ハムス)「感謝する!」
そうハムスは叫び再び歩み始めた