カルキュレイション ワールド 70頁
空はすっかり暗くなっており明るく照らされた城内をガウルに案内される禅輝達
(禅)「んーー…」
悩む禅輝
(蒼)「どうしたのよ禅輝?」
(禅)「煮え切らねェ、なんでイマクニのおっさんは勝負を止めたんだ?」
それに対しガウルが口を開く
(ガウル)「黒鉄、犬王様の判断は正しい…あのままオルガの技を受けていれば間違いなくこの世から消滅していたからな…それに以前も話したが貴様の攻撃はやはり直線的すぎる、このままのスタイルではいずれ苦戦をしいるぞ」
(禅)「わーった!わーった!ちゃんと考えるさ!それより腹減っちまったよ!飯にしようぜ!」
(蒼)「私もペコペコだよー」
蒼葉もお腹を抑えながら言う
(キャミィ)「禅輝も蒼葉もだらし無いなぁ」
(ガウル)「そう言うなキャミィ、人間と我らアニマでは違うのだろう」
禅輝達は話しながら居住区にやって来ており一軒の家に入る
(セバス)「お帰りなさいませガウル様」
出迎えたのは使用人らしき格好の老犬だった
(ガウル)「ご苦労だったセバス、客人の部屋と料理を用意してくれ、それとお前達も適当にゆっくりしてくれ、明日は早いぞ」
そう言うとガウルは階段を上り姿を消した
(セバス)「ではこちらへどうぞ」
禅輝達は使用人セバスの案内に任せ食事や入浴を済ませ各自の部屋へ別れ身体を休めた
ベッドで横になり考え込む禅輝
(禅)「(霊術か…)」
そして夜が明ける
ーーラットキャッスル城ーー
月が輝く夜
ヒバナ邸に八戒が入る
(八戒)「ヒバナ準備が出来たぞ…だが本当に良いのか?」
八戒がヒバナに問う
机で書類に書物をするヒバナが言う
(ヒバナ)「この国の為、やれる事はやるヒノ!その為にここまで準備をして来たヒノ!」
強い意志を感じた八戒
(八戒)「ならいいが…」
(ヒバナ)「この国の命運を賭けた戦い、失敗出来ないヒノ!」
ヒバナは書類に向かい心を燃やしていた
ーー犬王領内・ガウル邸ーー
朝日が昇ると同時にガウル邸にはオルガの率いる千の兵隊が集結し
禅輝達も出発の準備は出来ていた
(禅)「って、何でオルガが居んだよ!昨日の事忘れてんのか⁉︎俺を消そうとした奴だぞ‼︎」
禅輝がオルガを指差しガウルに言う
(ガウル)「まぁそう言うな、姉さんもお前が置き忘れた刀をついでに届けてくれたんだ」
(禅・蒼・キャミィ)「………ね、姉ちゃん‼︎⁇」
(オルガ)「ジャン=オルガ・フィールドだ、同行させてもらう」
オルガは眼を見開き禅輝に刀を渡す
(禅)「怖ぇよ‼︎」
禅輝がオルガに言う
(禅)「にしても驚いたぜ、まさか姉ちゃんなんてな」
禅輝がガウルに対して話す
(ガウル)「まぁ宜しく頼む、さて本題だが兵の数はこちらは千、あちらは二千はいるだろう、黒鉄何か策があって犬王様に大見得切ったんだろ⁇」
(禅)「…あぁ、無血開城だ」
禅輝が自分の意図を伝えた