カルキュレイション ワールド 66頁
犬王は再び玉座に座る
(イマクニ)「さて、本題へ入ろうか…黒鉄」
(禅)「そんじゃ、アンタに同盟国への侵攻を取り止めて貰いたい!」
(ガウル)「黒鉄ッ!貴様‼︎」
ガウルが禅輝に怒鳴る
(イマクニ)「待てガウル…」
犬王は片手を上げガウルを制止する
(イマクニ)「……黒鉄、お前は以前、ワタシに正義を問うたな?」
(禅)「あぁ」
(イマクニ)「私の正義は平和だ、この国…いや、この世界に平和を築きたい…だが鼠王は武力により隣国猪王を討ち、その勢力を広げ、猪王としばし続いていた平和のバランスを崩し、我が国への脅威となった」
(禅)「だからって同盟国を討つのか‼︎」
(イマクニ)「…黒鉄、同盟だからと言って鼠王が攻めて来ないと言う保証は無く、奴に信を置く事も出来ない…お前も顔を合わせているなら分かるだろぅ?」
(禅)「うッ…」
(イマクニ)「だからワタシは守る為に兵を進めた…」
(禅)「だからって、力でねじ伏せればいずれ争いが起きるだろ!力を使わず話し合いで解決する事もできるだろ⁉︎」
(イマクニ)「…黒鉄、貴様の言っている事は絵空事と同じだ、こうしている間にも彼方は戦争の準備を進めているだろう…ならば今こそ準備が完了する前に、こちらも総力を尽くし被害を最小限に鼠王を落とす事が最善…それがワタシの正義だ‼︎」
(禅)「……アンタの正義は充分伝わった…けど、侵攻は許せねぇ‼︎どうしても行くなら、俺がアンタを止める‼︎」
(ガウル)「黒鉄‼︎」
(蒼)「禅輝…‼︎」
(イマクニ)「…ふっ、やはり面白い奴だな、黒鉄……よし、そこまで言うならば貴様の正義とやらで鼠王を説き伏せてみろ!」
(禅)「あぁ!やってやるぜ‼︎」
(蒼)「どおしてそうなんのよ…」
肩を落とす蒼葉
(イマクニ)「鼠の兵はおそらく二千、お前には三千を与えてやる」
(禅)「いや、千で充分だ!」
(イマクニ)「ふっ、面白い奴だ…ガウルお前も同行しろ」
(ガウル)「ハッ‼︎」
犬王が笑みを浮かべる
(キャミィ)「犬王様、一つお尋ね宜しいですか?」
キャミィが口を開く
(イマクニ)「申してみよ、トルク・キャミィ」
(キャミィ)「あら⁇アタシの事ご存知なんですね」
(イマクニ)「虎王の使者でワタシと同じ〝人獣種〟となれば、有名だからな、それでどうした?」
(キャミィ)「はい、〝冴刃英示〟と言う人間を捜していますがご存知ありませんか?」
(イマクニ)「ほぉ、虎王は〝四神〟の一人を捜しているのか…して、何故?」
(キャミィ)「秩序を護る為と…」
(イマクニ)「…確かにあの〝四聖獣〟朱雀を落している〝白鳳天琊〟を止めるには同じ〝四神〟の力で対抗するのが定石か…」
(禅)「⁇…ちょっと待てよ!白鳳は神矢だろ⁉︎」
禅輝が割って入る
(イマクニ)「…そうか、お前達には少し説明がいるな…」
犬王は深刻な表情で改る
(イマクニ)「お前が言う白鳳神矢の身体は、実の父〝白鳳天琊〟に乗っ取られている…」
(禅・蒼)「‼︎」
衝撃の走る禅輝達