カルキュレイション ワールド 64頁
ムカデを斬るガウル
(ムカディン)「ぐふっ…‼︎」
崩れ落ちるムカデ
(禅)「ふ〜助かったぜガウル!」
(ガウル)「フン、こんな所で油を売ってる時間は無いからな」
〝キーン〟
地面に何が落ちた
データ分解の進むムカデからコインが落ちる
(禅)「何だこれ…⁇」
禅輝が拾い上げる
コインには猿が目を隠す絵が描かれていた
(禅)「ガウル…コレ⁇」
禅輝はガウルを呼び止めコインを渡す
(ガウル)「…わかった、黒鉄コレは預かっておくぞ」
(禅)「あぁ、構わねェよ」
(蒼)「終わったみたいね」
岩陰の蒼葉とキャミィもやって来た
(ガウル)「天鳴池蛙、良い刀だったぞ」
ガウルはキャミィに刀を渡す
(ガウル)「さぁ黒鉄、合流予定に遅れを取った、先を急ぐぞ!」
(禅)「おう!」
禅輝達は再びトンネルを出口に向かって歩き出す
ーーミミズトンネル出口ーー
トンネル出口でドベルと兵隊達がガウルの合流を待っていた
(ドベル)「遅い‼︎ガウルは何をやっている‼︎陽が真上に登っているぞ!」
苛立つドベルがガウルの兵隊に聞く
(犬兵A)「ハッ‼︎しかしながら…今までガウル隊長が一報なく遅れた事など無いお方、もしや最近噂の〝コブラ部隊〟や〝羊王軍〟などに巻き込まれたのでは無いでしょうか…⁉︎」
(ドベル)「フン、下らん‼︎どちらも我が領土に足を踏み入れるならば、我ら〝黒き狩猟〟が消滅させてくれる‼︎」
(犬兵A)「それは心強いお言葉」
その時ドベルの兵が駆け寄って来る
(犬兵B)「報告、ガウル隊長が到着致しました」
報告を受けるドベルの元へガウルも姿を現わす
(ドベル)「ガウル!貴様何をしていた!」
(ガウル)「そう噛み付くな、コレを見ろ」
ガウルはドベルにコインを指で弾き渡す
(ドベル)「…猿か…始末はしたのか?」
(ガウル)「本意では無かったがな」
ガウルとドベルはそれだけ言葉をかわす
(ドベル)「遅れが出た‼︎これより急ぎ〝ランドック城〟へ帰還するぞ!」
ドベルが全体へ号令を出し一団は山林を降りてゆく
一団の最後尾に禅輝達がいた
(禅)「なぁガウル、あのドーベルマンは何もんだ?」
ガウルに質問する禅輝
(ガウル)「ドベルは俺と同じ軍隊長の一人、〝狩猟のドベル〟の通り名で他国にまで轟く隊長だ」
(キャミィ)「あれが〝黒き狩猟〟さすがこっちの〝白虎隊〟と肩を並べる猛将って感じね」
(禅)「へぇまだまだ強そうな奴らがいんだなァ」
(蒼)「あんたねぇ絶対に喧嘩なんか売らないでよね‼︎」
嬉しそうな禅輝に釘を刺す蒼葉
(ガウル)「黒鉄見えたぞ」
ガウルが禅輝に促す
禅輝は山の麓の方に目を移す
(禅)「あれがランドック城か」
樹々の隙間からだが眼下には白を基調とした巨大な城が見えた