カルキュレイション ワールド 6頁
二人は宿を出てズラリと立ち並ぶ建物の奥にひときわ高い塔のようなものがあるのが見えた
(禅)「あれだな牛王がいる場所は」
(蒼)「ヒバナの話からだと目立つのはあの建物くらいね」
蒼葉は弓を強く握る
二人は建物に向かい歩き始めた
町の雰囲気はモグリ村とは違い様々な種族が行き交う
活気のある町だった
しばらく進むと何やらアニマ集りがあり
騒がしい雰囲気になってきた
渦中からは聞き覚えのある声がする
(ヒバナ)「放すヒノ!オイラは知らないヒノ‼︎」
禅輝と蒼葉は掻き分けて渦中に進むと2頭の牛王親衛隊と揉めていた
(牛兵)「お前は鼠王の所の偵察部隊だろ‼︎」
(ヒバナ)「何を言ってるヒノ!オイラは薪を売りにこの町に来ただけヒノ!」
ヒバナは抵抗しているが親衛隊に連れ去られていく
(禅)「おいお前らそいつは…」
禅輝が後ろから親衛隊を止めに入ろうとした
(牛兵)「何だお前は、そこをどけ!」
親衛隊が立ち止まり目の前には左眼に眼帯をした狼が立ちはだかっていた
(狼)「…」
(牛兵)「貴様いい度胸だ、親衛隊に刃向かう者は牛王様の意に背くも同じ、後悔するがいい!」
2頭の親衛隊はヒバナを放し狼に同時に襲い掛かる
(狼)「フッ雑魚が」
狼は腰に下げていた大鉈を抜いた
(牛兵)「終わりだァ!」
親衛隊の棍棒が同時に振り下ろされる
(狼)「牙通一閃‼︎」
凄まじい気迫を放った時には狼は親衛隊2頭を背に歩いていた
狼は武器を納めると親衛隊は斬られて崩れおちた
(禅・蒼)「⁉︎」
(禅)「(コイツできる…)」
禅輝の表情が曇る
(ヒバナ)「狼さんありがとヒノ」
ヒバナが立ち去ろうとする狼に近寄った
禅輝と蒼葉も駆け寄る
(蒼)「ヒバナ大丈夫だった?」
(ヒバナ)「オイラはこの通り大丈夫ヒノ」
(禅)「おい、あんた…」
狼の肩に触れようとした瞬間姿が消える
(狼)「お前か、この所牛王の領土を荒らしている人間は」
狼は禅輝の背後に立っていた
(狼)「フン…背後を取られるなど同じ人間でも大違いだな」
狼は禅輝を鼻で笑う
(禅)「誰と比べてやがんだよッ‼︎」
振り向きざまに拳を繰り出すが再び背後を取られ
(狼)「白鳳神琊…」
言葉だけを残し狼の姿は消えていた
(禅)「クソッ‼︎」
妙な敗北感を感じる禅輝
その時
(牛兵)「貴様らだな牛王様の領内で暴れている人間は」
牛王親衛隊が禅輝達を取り囲んでいた
(コウ)「これでお前達も終わりだ!」
上空にはバットン兄も飛んでいた