カルキュレイション ワールド 58頁
倒れている蒼葉
(禅)「蒼葉‼︎」
ハイエナ達との戦闘を終え駆け寄る禅輝達
(禅)「大丈夫か蒼葉⁉︎ん…増強丸⁉︎」
禅輝は蒼葉の手が握る増強丸に気がつく
(キャミィ)「なるほど…大丈夫眠ってるだけよ、寝不足で、おまけに無い袖振って憑神使えば当然ね」
(禅)「なら良かったぜ、よいしょと!」
禅輝が蒼葉をおんぶする
(禅)「さぁ、仲間の部隊と合流する場所に向かおうぜ」
(ガウル)「あぁ、予定より遅れが出た、直ぐにミミズトンネルへ向かうぞ禅輝」
禅輝達は森を進みミミズトンネルへ向かう
ーー馬王領内・シルホーク街ーー
街のあちこちから煙が上がり大半の家屋は倒壊している
(エキドナ)「馬王の軍も大したこと無いね」
エキドナが重傷のシルホークの胸ぐらを持ち上げながら言う
(シルホーク)「化け物め…」
瀕死のシルホーク
(ヤクルス)「ここももう終わりか、千の兵でも楽しめんのォ、こっちは三人だけだってのによォ」
ヤクルスは不満そうに言う
(オロチ)「城の守りに兵を置いてきていたが、やはり問題無いか…」
オロチは腕を組みながら言う
(ヤクルス)「とっとと馬王の首を取りに向かおうぜオロチよォ!」
ヤクルスがオロチの肩を叩く
(オロチ)「だがもう少し楽しめそうだぞ」
オロチが笑う
コブラ部隊の前に三馬神と馬楼が現れた
〝エアル〟茶色い毛並で細身な女剣士
(エアル)「これは酷い有様だ…流石有名なコブラ部隊」
〝フジ〟黒い毛並でがっしりと体型に巨大な斧を持つ
(フジ)「不愉快な蛇だ、真っ二つにしてやるか!」
〝マシュー〟真っ白な毛並で凛としている
(マシュー)「いいか、エアル、フジ、シルホークの奪還を優先するなら先ずはあの蛇を黙らせる事が先決、気を引き締めて全力で行くよ!」
(馬楼)「情報通りならマシューお前はオロチをマークしろ、恐らく強敵だ、フジはアノ血の気の多そうなヤクルス、エアルはエキドナじゃ!」
馬楼が指示を出す
(フジ)「よっしゃーーーイクぜーー‼︎‼︎」
フジが巨大な斧を地面に振り下ろす
地走りがヤクルスに向かう
〝シュッ〟
マシューが姿を消す
(オロチ)「ー‼︎」
オロチがヤクルスから離れ
捲り上がる地面がヤクルスに直撃する
(ヤクルス)「面白れぇ事するじゃねぇかィ」
しかしヤクルスには通じなかった
(エキドナ)「オロチ危ない‼︎」
エキドナが叫ぶ
オロチの背後にはすでにマシューの姿があり
マシューの蹴りがオロチに当たる
(マシュー)「捉えたと思ったけどね」
マシューが呟きオロチは片腕で蹴りを防いでいた
(エアル)「ハァァァァァァ‼︎」
エアルがエキドナへ細剣を構えて向かっていく
(エキドナ)「おっと、アタシもうかうかしてられないね」
エキドナはシルホークを側に投げ捨てエアルに向かっていく
(エアル)「ヤッ!ヤッ!ヤッ!」
エキドナに向かい剣を振るエアル
(エキドナ)「そんな太刀筋じゃ、アタシには当たらないよ」
華麗に避けるエキドナ
エキドナも鋭い爪で突きそれを剣で防ぐエアル
お互い攻防戦がはじまる
それぞれの戦いを見届ける馬楼
(馬楼)「皆、上手く引きつけたようじゃな…さて今のうちにシルホークを奪還じゃ」
馬楼がシルホークの元へ駆け寄る
(馬楼)「おい!しっかりするんじゃ!」
(シルホーク)「うっ…馬楼様、それに三馬神様達…」
(馬楼)「喋らなくてよい、お前さんを本軍へ撤退させ治療する」
(シルホーク)「申し訳ありません…」
馬楼はシルホークを担ぎその場を離れた
(エキドナ)「ん?あらあらまんまと救出されちゃったわ」
エキドナが馬楼とシルホークに気付く
(エアル)「余所見なんて随分余裕ですね」
エアルが絶え間なく剣を振るう
(エキドナ)「やっぱりこの程度かしらね」
エキドナがニヤリと笑い
鋭い爪で剣を弾く
(エアル)「ー⁉︎」
エキドナの長い尻尾でエアルを薙ぎ払う
(エアル)「クッ‼︎」
それを何とかガードしたエアル
(エキドナ)「ヤクルス!オロチ!アレを使うよ!」
(エアル)「?」
警戒するエアル