カルキュレイション ワールド 54頁
禅輝と蒼葉はキョロキョロしながら歩く
(キャミィ)「禅輝、珍しいのかい?」
(禅)「こんなにアニマがいて、店の数もあちこちにあって、街全体がスゲェ活気だな、鼠の町以上だな」
(キャミィ)「そりゃそうよ、城下町とは規模が違うからね」
禅輝達は色々な店を眺めながら街の中を進む
(蒼)「突き当たり…左の角、有ったわよ宿屋‼︎ねぇ禅輝!」
(禅)「………」
禅輝は角を左に曲がり宿屋を過ぎてゆく
(蒼)「ちょっと‼︎どうしたのよ⁉︎」
(禅)「キャミィ、気づいてるか?」
(キャミィ)「えぇ…付けられてるわね…」
(蒼)「えっ⁉︎ウソ⁉︎」
(禅)「このまま街の外れまで引っ張るか」
(キャミィ)「そうしましょ…」
(蒼)「ストーカー‼︎何て気分悪いの‼︎取っちめて懲らしめてやるわ‼︎」
禅輝達は何者かを誘導しつつ街外れへ向かう
(キャミィ)「だいぶアニマの通りが減ったわね」
(禅)「まだついて来てんな」
(蒼)「あの集積所なんて良くない⁉︎」
(禅)「決まりだな…」
禅輝達は蒼葉の案に乗り粗大ゴミが積み重なる空き地に入る
(禅)「待ってたぜ‼︎」
(???)「⁉︎」
蒼葉の読み通り空き地に来た謎のハイエナは驚く
(???)「気づいていたか…だがこの街外れならば好都合‼︎黒鉄禅輝‼︎弓城蒼葉‼︎トルク・キャミィ‼︎まとめて貴様らの首は俺様が頂く!」
(キャミィ)「賞金稼ぎね、まったく…面倒ね」
呆れるキャミィ
(蒼)「賞金稼ぎ⁉︎何で私達が狙われんのよ⁉︎」
(???)「惚けても無駄だ‼︎貴様らは牛王の兵だけでなく牛王までも倒した事により、新たに〝バウンティーブック〟に黒鉄禅輝700万G‼︎弓城蒼葉500万Gの賞金が掛けられたのだ!さらに王家の者は高額で取り引きできるからな、こんなチャンスは滅多にねぇ!」
(禅)「マジか⁉︎俺700万か‼︎まだまだイケるな‼︎」
喜ぶ禅輝
(蒼)「ふざけてんじゃないわよ‼︎なんで私まで‼︎」
(禅)「おぃ、キャミィはいくらだ⁉︎」
騒がしくなる禅輝達
(???)「……貴様らァ‼︎俺様を無視してんじゃねぇ‼︎」
ハイエナがナイフ片手に襲いかかってくる
(禅)「キャミィ‼︎蒼葉‼︎手ェ出すなよ‼︎」
禅輝は左手に憑神を纏わせナイフを掴む
(???)「何ッ⁉︎」
そのまま禅輝は掌底をハイエナの顎に喰らわす
(???)「ガフッ‼︎」
倒れ込むハイエナ
(禅)「お前じゃ俺には敵わねぇよ」
(???)「クソッ‼︎テメェも不思議な力を使うのかよ‼︎覚えてやがれ‼︎」
ハイエナはそう言い吐いて逃げ去った
(禅)「あれ、逃げちまった…根性ねぇなァ彼奴…まぁひと段落着いたし宿に戻るか」
(蒼)「そうね、明日も早そうだしゆっくり休みましょ」
禅輝達は来た道を戻り宿屋に向かう