カルキュレイション ワールド 51頁
無線が鳴り二人はガウルの腰の無線機に目を移す
〝ガチャ〟
(ガウル)「こちらジャン=ガウル・フィールド」
(犬王)「〝ガウル、鼠王軍討伐は遂行したか?〟」
(ガウル)「申し訳ございません犬王様、只今人間と虎王の使者に妨害されており、思うようにいかず…」
(犬王)「〝…………〟」
禅輝が無線を奪う
(禅)「やい犬王‼︎同盟はどうした‼︎それがお前の正義か‼︎」
慌てて禅輝を突き飛ばすガウル
(ガウル)「大変申し訳ございません‼︎犬王様‼︎直ちに落城致しますのでッ‼︎」
(犬王)「〝待てガウル!その人間と使者を連れてこい〟」
(ガウル)「ですがまだ落城には時間が掛かるかと…」
(犬王)「〝よい、今回は出直す…その際に人間と使者を連れて戻れば良い〟」
(ガウル)「……了解致しました、遂行任務を切り替えます」
(犬王)「〝任せたぞ〟」
〝ガチャ〟
ガウルは無線を切った
(ガウル)「…黒鉄、犬王様から、貴様と猫を連れて来いと命令が下った、大人しく来てもらおうか」
(禅)「まいったなぁ、俺は鼠王と契約しちまって勝手ができねぇんだよ」
(ガウル)「…ならば俺が話を着けよう」
そう言うとガウルは鼠王へと向う
鼠兵が武器を構えハツネを守る
(ハツネ)「何用だ⁉︎貴様…」
ハツネがガウルへ聞く
(ガウル)「お久しぶりですハツネ様」
(ハツネ)「護衛派遣だった貴様が一端の軍隊長となり我が城を攻めて来るとは随分と偉くなったなァ?」
(ガウル)「あの件の事は感謝に尽きます、そして今回の件はこれで我々は撤退させて頂きます」
(ハツネ)「ー‼︎どおいうつもりだ⁉︎」
(ガウル)「ただ撤退命令が下りましたが、あの者と虎王の使者を連れて戻るのが条件、それが承諾出来なければ、このまま全軍で攻城を開始する事になります」
(ハツネ)「クッ!……好きに連れて行け」
(ガウル)「感謝します」
話終わるとガウルは禅輝とキャミィに向かう
(ガウル)「黒鉄、話は着いたぞ、来てもらおう」
(禅)「あぁ…」
(ガウル)「キャミィ様も同行を願いする」
(キャミィ)「ハイハイ…」
(蒼)「ちょっと‼︎私も行くわよ‼︎」
蒼葉がガウルへ叫び駆け寄る
(ガウル)「好きにしろ」
そしてガウルは禅輝達を連れドベルの元へと向う
(ガウル)「ドベル、引き上げ命令が出た、直ちにメープル並びにラニアンに連絡し全軍、ランドックへ帰還するように指示をだぜ」
(ドベル)「チッ、戦はお預けか…了解、無線連絡を出しときます」
ガウルは犬兵に向い
(ガウル)「全軍!ランドックへ帰還だ!海岸へ戻り出航準備だ!」
(犬兵達)「ワォーーーーッ‼︎」
怒号が響く
犬兵達は海岸へと移動する
(ガウル)「さぁ黒鉄、我々も向かうぞ」
(禅)「あぁ」
歩き出す禅輝達に
(ヒバナ)「兄貴ッ‼︎」
振り向く禅輝達
(ヒバナ)「兄貴達には感謝してもしきれ無い程感謝してるヒノッ‼︎これからはオイラの力でオイラの夢を実現させるヒノッ‼︎」
禅輝はナイスなポーズをヒバナに見せ歩き出した