カルキュレイション ワールド 49頁
朝が来ると同時にヒバナ邸へと間者が走って来る
(鼠兵A)「ヒバナ隊長‼︎裏門を警備中、突然犬王軍の兵が大群を率いて城外を包囲されました‼︎」
禅輝達に衝撃が走る
(ヒバナ)「どうしてヒノ⁉︎犬王軍とは同盟関係にあるはずヒノ‼︎オイラ城外の敵の部隊長に話をしてくるヒノ‼︎」
(禅)「俺達も行くぞ‼︎」
(蒼)「そうね!」
(キャミィ)「面白そうね!」
禅輝達は裏門へと向かった
ーー鼠王の間ーー
鼠王に駆け寄る鼠兵
(ハツネ)「なんだ‼︎騒々しいぞ‼︎」
(鼠兵B)「裏門を警備中に犬王軍が大軍隊を率いてやって来ました‼︎」
(ハツネ)「なんだと‼︎戦争でも始める気か⁉︎我らは同盟国だぞ‼︎ヒバナには連絡は行っているのか⁉︎」
(鼠兵B)「はい、すでに他の警備兵が連絡を!」
焦る鼠王
矢継ぎ早に警備兵が慌てて入ってきた
(鼠兵C)「報告‼︎正門が犬王軍の兵に包囲されました‼︎」
(ハツネ)「なにぃ⁉︎ワシらも直ちに裏門へと向かうぞ‼︎」
鼠王は慌てて部屋を出た
ーー裏門ーー
禅輝達は裏門へと到着しその光景に驚く禅輝
(禅)「ー⁉︎ガウル⁉︎」
犬兵の大群の先頭にはガウルが立っていた
(ガウル)「黒鉄⁉︎まさかまだ貴様達が居たとはな… 」
禅輝がガウルに歩み寄る
(禅)「どぉいうつもりだ、ヒバナは仲間だろ!」
(ガウル)「貴様達には関係の無い事だ、犬王様は猪王の領土まで奪い、力をつけた鼠王を軽視出来なくなってな、この国を落す事になったのだ」
(禅)「同盟ごっこは終わり、って事かよ」
(ガウル)「フン、同盟など所詮はただの形だ、どちらかの都合が悪くなれば、一方的に終わりが告げられる、まるで国どうしの腹の探り合いだ」
(禅)「お前はそれで良いのかよ⁉︎」
(ガウル)「……。それが犬王、イマクニ様のご指示ならば任務を遂行するまで…」
ガウルは静かに大鉈を抜いた
(禅)「……相変わらず任務かよ、バカ野郎…」
禅輝も静かに構え両腕に憑神を宿した
(ガウル)「以前よりも範囲が広がったな、やはり中々の強者だな…」
(禅)「今度こそ見切るぜ!」
二人の空間に緊張感が漂う
(ガウル)「……牙通一閃ッ‼︎」
先に仕掛けたガウル
(禅)「ー‼︎」
(キャミィ)「瞬影爪ッ‼︎」
〝ガキーンッ‼︎〟
キャミィの鋭い爪がガウルの大鉈の攻撃を止めた
(キャミィ)「禅輝達とのかつての事情は知らないけど、アンタ仲間に手を出すなんてね」
キャミィがガウルに言う
(ガウル)「虎の飼い猫が口を挟むな」
二人の攻撃により空気が痺れた